配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2011年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2010年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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研究概要 |
本研究は、プラズマとナノ物質界面の相互作用を扱う新学術領域の一分野として、従来にない気相-ナノ粒子-基板間でのプラズマによる非熱平衡な化学反応過程を用いた半導体ナノ構造の形成制御を目的としている。研究期間内において、LSI用高誘電率ゲート絶縁膜のHf,Si,O,Nの形成をターゲットに、シリコン半導体基板上に自己組織化現象によりハフニウムのナノ粒子を形成し、窒素プラズマによりHf,Si,O,Nの界面反応が誘起される過程を分析した。超高真空プローブ顕微鏡により、SiO_2上の自己組織化Hfナノ粒子が安定した固相の物理特性を持たず、常温近くにおいて液状であることを初めて発見した。プラズマ診断から導出される照射N原子量とXpsから得たHfSiON膜中のN原子量には定量的に1:1の関係が確認され、プラズマ照射下でのHfナノ粒子がほぼ100%の反応係数を持つことが明らかになった。また、Hfをナノ粒子からマイクロメートルの厚膜へと変えると、固体化が生じ、プラズマ照射反応係数が1桁減少するというナノサイズ効果が発見された。 さらに、ハフニウム系ゲート絶縁膜として必要な原子レベルでの平坦性は、膜と下地Si層の歪エネルギーをTiの含有により制御することで実現可能であることを明らかにした。Ti比率O-10%の範囲で窪みの深さは0.8nmから0.2nmへ減少し、平坦性に顕著な改善が見られた。 これらの新たな発見を含め、本研究課題では、1-自己組織化表面ナノ粒子とプラズマ供給粒子の反応にサイズ効果が存在すること、2-プラズマ照射により表面ナノ粒子と下地層との界面反応を効果的に薄膜形成に活用できること、3-プラズマ照射成膜においても歪制御技術の活用が可能であること、などが明らかにされた。
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