研究領域 | 背景放射で拓く宇宙創成の物理―インフレーションからダークエイジまで― |
研究課題/領域番号 |
22111501
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 龍一 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60413960)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2010年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 宇宙背景輻射 / 宇宙の大規模構造 / ダークマター(暗黒物質) / 重力レンズ / 数値シミュレーション |
研究概要 |
以下の2つの成果が得られた。それぞれについて以下で記述する。 1.重力レンズを受けた宇宙背景輻射の疑似マップ(温度&偏光ゆらぎ)の作成 まず、重力レンズを受けていない宇宙背景輻射の2次元マップを用意する。面積は4πの正方形(全天と同じ)、温度と偏光揺らぎの2次元マップである。宇宙背景輻射の揺らぎのパワースペクトルからガウス揺らぎを仮定し作成した。次に、N体シミュレーションを用いて、宇宙の大規模構造を作成した。最終散乱面から我々に届くまでの光の経路を、非一様宇宙を伝播する光の重力レンズシミュレーションを使って計算した。そこから10度×10度の領域を取ってきて、重力レンズを受けた宇宙背景輻射のマップ(温度&偏光ゆらぎ)を作成した。揺らぎのパワースペクトルを計算し、理論モデルと比較し、完全に一致していることを確かめた。現在、2次元マップから手前の構造形成の情報を引き出す計算も始めている。 2.宇宙背景輻射の温度揺らぎに対する重力レンズの影響の再計算 ダークマター(暗黒物質)による宇宙の大規模構造の揺らぎのパワースペクトルを最新のN体シミュレーションを用いて計算した。その結果、計算の分解能が上がった影響で、これまで考えられていたよりも小スケールで揺らぎが大きくなることを見出した。この結果を用いて温度揺らぎのパワースペクトルを計算すると、小スケール(約1分角以下)で10%程度これまでの計算よりパワーが上がることが示された。
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