研究領域 | 動植物に共通するアロ認証機構の解明 |
研究課題/領域番号 |
22112517
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 昌彦 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50385423)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2011年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2010年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 発生・分化 / 動物 / アロ認証機構 / 精子核 / シグナル伝達 |
研究概要 |
受精は、配偶子同士の接近、膜への結合・融合、精子核の崩壊など一連の複雑な過程から成り立っている。生物種を超えて、それぞれの過程には配偶子を認識するための巧妙な仕組みが備わっており、近年様々な分子が同定、機能解析されている。膜融合後、精子核から雄性前核形成に至るまでの過程はダイナミックで複雑なプロセスであり、精子核の脱凝縮し、プロタミンの解離、ヒストンの会合、転写因子を含むさまざまな制御因子の結合が起こる。しかしながら、精子核崩壊後のプロタミンの解離の過程や、精子核の脱凝縮制御因子など特に哺乳類において解析は進んでいない。本研究では、精子-卵膜融合後の認証機構に焦点をあて、卵子細胞質における精子核および精子染色体の認識制御機構を明らかにすることを目的に研究を行った。 1)新規プロタミン抗体による発現解析 精子染色体に含まれるプロタミンの受精後の動態、結合分子を明らかにするために、プロタミン(Prm1,Prm2)に対するウサギポリクローナル抗体を作成した。Prm1はN末から1-14、43-51番目、Prm2は11-25、33-46番目のペプチドを抗原とした。精子核タンパク質を抽出し、酢酸尿素ゲルによる分離、イムノブロッテイングによって、特異的なバンドを抗Prm1(43-51)、Prm2(33-46)抗体で検出することができた。また免疫染色により両抗体が精子頭部を認識することを確認した。後期精子細胞内ではプロタミンはポリユビキチン化されて分解されることから、成熟精子におけるプロタミンのユビキチン化の状態を調べた結果、成熟精子ではユビキチン化されていないことが明らかになった。 2)精子染色体認識タンパク質の同定 プロタミンの制御に関わるタンパク質を同定するために、ストレプトアビジン結合ペプチド(SBP)とカルモジュリン結合ペプチド(CBP)と融合したプロタミン(Prm1,Prm2)発現アデノウイルスベクターを作製した。このアデノウイルスによる発現解析を行った。 以上より、精子プロタミン動態を解析するための手法を確立した。これにより、精子核および精子プロタミンの認識・制御に関わる卵内分子の同定が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
市販の抗体ではイムノブロティング、免疫染色法において特異的にプロタミンを検出できる抗体がなかった。 そこで、抗体作製を試みることになったため、当初の計画よりやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
1)受精後のプロタミンの解離 精子融合後の経時的なプロタミンの動態を作製抗体により明らかにする。 2)卵内プロタミンの分解機構 受精後のプロタミンの分解メカニズムの解析を行う。 3)プロタミン抗体による免疫沈降 作製したプロタミン抗体を用いて免疫沈降を行い、結合分子の同定を行う。 4)結合分子の発現および機能解析 同定タンパク質の卵における発現、局在を調べる。 最終的にはプロタミンの解離精子核脱凝縮への関与を明らかにする。
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