配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2011年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2010年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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研究概要 |
天然変性領域におけるヒストン化学修飾反応の特性に関して、ヒストン化学修飾間関係を調べたところ、頑強性のあるシステムとしてのスケール・フリー性を示し、更にそのシステムが形成・成長・進化するには、テイル領域の可動性、柔軟性が重要な役割を担うことを示した(Genes Cell, 14, 789-806, 2009)。各々ヒストン”Modification web”、”Signal router”理論として提唱することになった。これらの性質を示す実際的な仕組みを解明するには、個々の化学修飾間関係の欠損に対して、他の化学修飾間関係が代替になっていることを示すことが課題であり、そのことに挑んだ。現在までの知見を以下に示す。スケール・フリー性を示すネットワーク構造内の代替エッジ関係を解析することは世界的に見ても初の試みであり、またこのような解析は多対多の関係を明らかにすることであり、非常に難しい作業である。変異や欠失に対してrobust(頑強)でなくなる状態を作り出さない限り、解析は非常に困難である。そこで、そのような状況を作り出せるかどうかをヒストンテイル領域の欠失が致死性をもたらさないといった過去の知見が妥当であるか否かの検討を加えた。その結果、今迄の知見はテイル領域を十分に欠失させておらず、テイル領域の一部が残存しているままでの結果であった。そこで、H2A, H2B, H3, H4のテイル領域をヌクレオソーム外側領域直前、及びヌクレオソーム内部のヒストンコア領域直前までの欠失を行い、細胞の致死性(5-FOA薬剤感受性)を調べた。その結果、H4のテイル領域の欠失は、ある領域までしか行えず、H4テイル領域の欠失株が、今後のシステム内化学修飾間関係を明らかにしていく上での基盤になることを見出した。この知見は従来の定説を覆すことになった。
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