研究領域 | 天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現 |
研究課題/領域番号 |
22113516
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
皿井 明倫 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (20221286)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2011年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2010年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 天然変性蛋白質 / バイオインフォマティクス / 進化 / 未構造領域 / 安定性 / 相互作用 / ネットワーク |
研究概要 |
本研究では、天然変性蛋白質および蛋白質内の未構造領域にかかわるアミノ酸配列、構造、物性、相互作用、ネットワーク、進化などのデータをバイオインフォマティクスの手法を用いて系統的に調べ、それらの特徴や相互関係、構造蛋白質との違いなどを解析し、天然変性蛋白質の生物機能における役割を明らかにすることを目的としている。今年度は、昨年度に引き続き天然変性蛋白質の解析に必要な情報の収集を継続し一部をデータベース化した。天然変性蛋白質の進化の解析では、未構造領域とその周辺の進化速度や同義置換数と非同義置換数の比率を解析することにより、進化の選択圧と未構造領域との関係を明らかにした。また、蛋白質・蛋白質や蛋白質・核酸などの相互作用や機能に関わる未構造領域について配列、構造、物性に関するさまざまな特徴を計算し、構造領域との比較を行った。さらに、未構造領域における保存部位(モチーフ)の保存度や進化速度を構造領域と比較した。これらの解析の結果、進化的に新しい生物種の未構造領域では一般に進化速度が速くそのまわりの領域にも影響を与えていることがわかった。しかし、未構造領域において機能に重要なモチーフ部位では、構造領域のモチーフ部位より進化速度が遅いあるいは変異しにくいことがわかった。この未構造領域の進化速度の結果は、構造の柔軟性や熱力学特性と相関することが示唆された。現在、未構造領域を持つ蛋白質の情報を蛋白質相互作用ネットワークに統合し、天然変性蛋白質とネットワークの特性との関係をさらに詳しく調べている。そして、これまでの天然変性蛋白質の配列、構造、相互作用やネットワークの解析を統合し、天然変性蛋白質の進化や機能との関係についてさらに解析をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、未構造領域とその周辺の進化速度の解析、熱力学特性の解析、相互作用や機能に関わる未構造領域内のモチーフ部位の保存度や進化速度の解析、などを行い、新規の知見を得ることができた。これらの成果は論文としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、未構造領域を持つ蛋白質の情報を蛋白質相互作用ネットワークに統合し、天然変性蛋白質とネットワークの特性との関係を解析するとともに、これまでの天然変性蛋白質の配列、構造、相互作用やネットワークの解析を統合し、プロテオームにおける機能的役割、天然変性蛋白質の予測、蛋白質の機能改変や薬剤の開発、天然変性蛋白質の進化的な理解、などの研究をさらに促進するための基盤を確立したい。
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