配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2011年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2010年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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研究概要 |
近年、単独では構造を持たない天然変性蛋白質(IDP)が、遺伝子発現制御を始め、様々な生命現象に深く関与することが明らかになりつつある。またIDPを特徴付ける天然変性領域(IDR)は、「連結した結合と折り畳み」と呼ばれる新規の結合様式により、複数の標的分子と特異的に相互作用する。この結合様式では、同一の標的分子に結合するIDR間の置換が極めて迅速に起こることから、構造変化を介するシグナル伝達には特に有効であると考えられる。TFIIDは多種類の転写活性化ドメイン(AD)によって活性化されるが、その結合部位は様々であり、AD標的部位も複数存在すると考えられる。またTFIIDと重複した機能を有するメディエーター複合体の場合には、テールドメイン(AD標的部位)やミドルドメイン(構造変化の中心)が特に多数のIDRを含むことから、THIDに存在するIDRについても新規AD標的部位や構造変化に必須の相互作用部位を構成する可能性が高い。本研究では、TFIIDの機能発現におけるIDRの重要性を確認するとともに、それらの分子機能の詳細を明らかにすることを目的とした。平成23年度は、8種類のTHIDサブユニット(Taf3,Taf4,Taf6,Taf7,Taf8,Taf9,Taf10,Taf12)に内包される26箇所のIDRについて解析を進め、酵母の生育に必須の役割を果たすIDRを複数同定することに成功した。興味深いことに、同定した7箇所(2/Taf4,1/Taf6,1/Taf7,1/Taf8,2/Taf12)のIDR領域は、(1)DNAとの相互作用(DNAスライディング)、(2)他のタンパク質(Taf or 転写調節因子)との相互作用、(3)複数の機能ドメインを連結するリンカー、という三種類の機能に大別できることが示された。
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