配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2011年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2010年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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研究概要 |
哺乳類において報告された多くの非コードRNAの中で、その明確な機能が分かっているものは少ない。その中でXistはX染色体不活化に必要な非コードRNAとして以前から報告されている。しかし、発生段階においてXistがどの様にコントロールされているのか不明な点が多く、特に着床前の不活化機構に働く因子は解析の手掛かりが殆どない状況である。我々は着床前の不活化機構に興味を持ち、雄と雌の胚盤胞の間で、small RNAの発現について次世代シーケンサーを用い比べた。その結果、雌でのみ発現するsmall RNAとしてFar2,Far3の2つの非コードRNAを発見することに成功した。また、Far2,及びFar3のゲノム周辺領域の解析から新たに非コードRNA Fat60も、この時期の雌のみで発現することを明らかにした。更に胚盤胞におけるFat60ncRNAの発現を詳細に調べるために、whole mount in situ hybridizationを行ったところ、Fat60はTEおよびICMの両組織で発現していることがわかった。これは、Fat60が着床前にTEにおけるインプリント型不活化、およびその後ICMで起こるランダム型不活化にも関与することを示唆している。これまで、着床前の不活化に関する解析手がかりは殆ど無かったが、本研究によりXist以外に雌特異的に発現するsmall RNA Far3,Far3,およびFat60 ncRNAを発見し研究基盤が整ったと考える。
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