研究領域 | 非コードRNA作用マシナリー |
研究課題/領域番号 |
22115511
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 (2011) 神戸大学 (2010) |
研究代表者 |
藤原 俊伸 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所・基盤生物研究部, 主席研究員 (80362804)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2011年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2010年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | RNA結合タンパク質 / 翻訳制御 / 局所翻訳 / 神経分化 |
研究概要 |
神経細胞の分化や機能発現を、翻訳調節ネットワークという視点から解明することを目的として、神経特異的なRNA結合タンパク質HuDの働きがmicroRNAマシナリーとどのように協調あるいは拮抗して働くかを研究する。 領域代表・泊博士および領域内研究者である神戸大学・三嶋博士との共同研究を実施し、翻訳開始機構およびmiRNAによる翻訳抑制との相関関係について研究を行った。具体的には、miRNA存在、非存在下における翻訳開始複合体形成およびPABP枯渇状態でのpolysome形成状態をショ糖密度勾配遠心により解析を行った。その結果、miRNAによる標的mRNAの抑制には脱アデニル化・mRNA分解およびPABPに依存しない「直接的な翻訳抑制」が関与することを明らかにし、PNAS誌上で発表した。また、HuDがどのように局所翻訳に寄与しているかを、微小管との結合を足掛かりに解析した。これまでの神経特異的Huタンパク質がどのように微小管上に結合しているのかは不明であった。そして、HuDは微小管結合タンパク質であるLC1を介して微小管に結合し、標的mRNAの神経突起内における輸送などに関与する可能性が示唆された。さらに、RNA結合タンパク質HuDがシグナル伝達因子Aktの活性型と特異的に結合すること、さらにAkt1との結合がHuDの分化誘導能に必須であることを証明し、NAR誌上で発表した。また、これまで機能未知であったeIF5 mimic proteinの機能解析をカンサス州立大学・浅野桂博士との共同研究で行い、翻訳抑制機能を持つことを明らかにした。 さらに、弘前大学・牛田千里准教授との共同研究により、藤原が有する独自の生化学系を用いてこれまでに報告がなかったC.elegansのU8 snoRNAを発見している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者がこれまでに構築してきた生化学を基盤とするin vitro翻訳解析システムを応用することに成功し、miRNAによる翻訳抑制機構の一端が明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
代表者のこれまでの予備実験により、哺乳類においては抽出液を得る株化細胞の種類によって翻訳効率が一様でなく、翻訳開始の制御機構が異なることを示唆する結果を得ている。翻訳開始の活性化と抑制は常に拮抗関係にあり、組織・細胞ごとにその制御機構は異なることは自明である。従って、様々な細胞種を用いたin vitro翻訳系を構築し、翻訳活性化とmiRNAによる抑制機構がどのように連携しているのかを明らかにすることを試みる。
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