研究領域 | 内因性リガンドによって誘導される「自然炎症」の分子基盤とその破綻 |
研究課題/領域番号 |
22117504
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
眞鍋 一郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70359628)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2011年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 慢性炎症 / 心不全 / メタボリックシンドローム / 慢性腎臓病 / 動脈硬化 / 自然炎症 / マクロファージ / 糖尿病 / Toll型受容体 |
研究概要 |
自然炎症を、エネルギー(遊離脂肪酸等)供給の変化等、絶えざる環境変化に対して細胞・組織のホメオスタシスを維持する本質的には保護的な機能と考え、その分子機構を解析するとともに、自然炎症の長期化と破綻による生活習慣病発症メカニズムを解明することを目的とする。本研究計画ではこれらの研究成果をもとに、肥満により増加する内的なストレス要因として遊離脂肪酸に着目し、(1)遊離脂肪酸に対するTLRを介したシグナル伝達系路による細胞機能の変調と、慢性炎症プロセス惹起の分子機構を検討し、遊離脂肪酸がどのようにして血管、膵ラ氏島、腎臓における病態を惹起するかを明らかにする。(2)遊離脂肪酸を含むストレスへの応答における免疫細胞・間質細胞と実質細胞の相互作用を検討する。(3)ストレスへの応答と細胞代謝の調節を統合する転写因子群のネットワークについて解析し、ホメオスタシスの維持、細胞機能の変調から、病態への推移を明確にする。以上により、自然炎症機構による絶えざる環境の変化に対する細胞・組織機能の維持について、遊離脂肪酸への応答を一つのモデルとして、間質-実質細胞およびストレス応答-代謝調節の相互作用の観点から解明する。また、自然炎症機構による細胞応答の長期化と破綻による病態形成機構の解明を目指すことを目的とした。血中パルミチン酸を直接増加させることにより生じる病態の悪化について、特に、慢性炎症プロセスを惹起するメカニズムに着目した解析を行いパルミチン酸がβ細胞のTLR4シグナルを活性化し、炎症を惹起することを見いだした。また、マクロファージが心臓で保護的機能を持つことを見いだした。さらに、マクロファージにおける転写制御とエピジェネティクスをゲノムワイドで解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
遊離脂肪酸による炎症プロセスの活性化が、臓器障害を引き起こすことを、シグナル、免疫細胞と実質細胞の相互作用の両面から明確にすることができ、特に2型糖尿病に見られる膵β細胞機能障害に炎症が重要であることを機能的に明確にできた。
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