研究領域 | 内因性リガンドによって誘導される「自然炎症」の分子基盤とその破綻 |
研究課題/領域番号 |
22117510
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
肥田 重明 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (10345762)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2011年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2010年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 好塩基球 / サイトカイン / アレルギー / プロテアーゼ / シグナル伝達 |
研究概要 |
抗原に対して適切な免疫応答を惹起するには自然免疫系細胞に発現する病原体センサーに依存したサイトカイン産生が重要である。本研究課題において、FcRγ欠損マウス由来の好塩基球では、プロテアーゼアレルゲンの一つであるパパインによってIL-4がまったく誘導されないことを見出した。これまでにレトロウイルスベクターを用いたFcRγの再構築でIL-4産生能が回復することを確認し、本年度はFcRγの細胞膜領域や細胞質内領域変異体の再構築により、IL-3受容体シグナル経路とは直接関与しておらず、抗体受容体などと同じFcRγ-ITAM-Sykシグナル伝達経路がパパインによるサイトカイン産生に必須であることを明らかにした。さらにshRNAを用いた受容体の発現抑制実験から、センサーとして機能しているFcRγ結合受容体は、一つではなく少なくとも数種類存在することが明らかになってきた。IgEによる架橋や抗CD200R3抗体によるIL-4産生に関しては、システインプロテアーゼ阻害剤によって全く影響がなく、パパイン刺激依存的なIL-4産生のみが完全に抑制されたことから、パパインのプロテーゼ活性は必須であり、これまでの観察から受容体自身が切断される場合と受容体以外の切断されたペプチドが受容体に結合する場合の両方のシグナル伝達機序があると考えられた。またその一方で、FcRγ欠損好塩基球でも、パパイン刺激によってIL-6などの他の炎症性サイトカインやケモカインが産生され、システインプロテアーゼ阻害剤によって抑制できなかったことから、プロテアーゼ活性以外を認識する受容体・シグナル伝達経路が存在していると考えられた。今後、生体内外の種々のプロテアーゼに対するセンサー分子とその認識機構についても明らかにしていく。
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