配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2011年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2010年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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研究概要 |
(1) リカレント型神経回路網モデルによる通信機能に関する計算機実験として,400個の二値(±1)神経細胞から成る神経回路網モデルを作り,そのシナプス結合行列(400行400列)として1サイクル5パターン周期で合計6サイクルを埋め込んだシナプス結合行列を決め,少数結合を導入して状態更新を行いカオスを発生させた。そして適切に送信神経細胞を設定して信号入力を行い,他の神経細胞(受信細胞)との相関関数を評価し、また送信信号と同期するかどうかをこれも相関関数を計算することにより評価した。その結果,送信信号がいったんカオス中に散って表面上は見えなくなるが,時空間的に離れた点において再びその信号が発現していることを発見した。これは脳波実験やfMRI実験とも合致する現象であることを示した (2) そうした通信チャンネルを二箇所に設け,カオスを媒体として2点間同時通信を実現させた (3) 非線形光電子デバイス結合系による通信機能に関する計算機実験として,動的自己電気光学効果素子(略称をDSEEDと言い申請者が考案したモデル)の示すパルス発振を擬似神経細胞モデルのハードウェア素子とみなし,二状態モデルと同様の計算機実験とその数値解析による研究を行い,そのハードウェア試作を行った (4) 擬似神経細胞素子のネットワークに関して計算機実験を行い,二値神経細胞ネットワークと同様な計算機実験を試みた (5) 国際会議:The 3rd International Conference on Cognitive Neurodynamics(ICCN'11)において上記成果を発表した (6) 国際会議:The 9th International Conference of Numerical Analysis and Applied Mathematics (ICNAAM 2011)においてミニシンポジウムを提案し,論文募集・研究発表等を行い,研究課題に関する研究交流や進展を図った
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今後の研究の推進方策 |
(1)本報告における研究段階では送受信神経群において振幅同期が実現されたが,さらに具体的にカオスを含む複雑なダイナミックスを通信媒体として用いた複数離点間同時多チャンネル通信の計算機実験とそれに基づく脳内ヘテロコミュニケーション機能へのアプローチを行うこと,(2)2体の自律ロボットに発生させた互いに独立なカオスを介して両者が機能的相互作用を行う計算機実験と実際のハードウェア搭載実験およびそれに基づくヘテロ脳間コミュニケーション機能へのアプローチへ向けての展開研究を行うこと,が今後の推進方策として考えられる。
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