研究領域 | ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明 |
研究課題/領域番号 |
22120512
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
尾仲 達史 自治医科大学, 医学部, 教授 (90177254)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2011年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2010年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 社会記憶 / オキシトシン / 扁桃体 / バゾプレシン / 視床下部 / ラット / 社会行動 |
研究概要 |
下垂体後葉ホルモンであるオキシトシンを産生するニューロンは、主に視床下部に存在し、その他、分界条床核にも存在することが知られている。このオキシトシンの脳における機能として、社会行動を促進する作用があることが提唱されている。オキシトシンを外来性に投与すると社会行動が促進され、オキシトシン受容体遺伝子欠損動物は社会行動が障害されている。本研究の目的は、社会行動をしているときオキシトシン産生ニューロンが活性化されているのか、活性化される場合その上流はどういう経路なのかについて明らかにすることであった。 社会刺激をくわえると、内側扁桃体、分界条床核、内側視束前野の細胞と共に、下垂体後葉ホルモン産生ニューロンが活性化された。逆行性トレーサーを用いて、視索上核に投射して社会刺激で活性化されるニューロンの細胞体の局在を同定したところ、内側扁桃体、分界条床核、内側視索前野の各部位に存在することを見出した。次に、社会行動中の下垂体後葉ホルモン産生細胞の活性化における内側扁桃体の働きを明らかにする目的で内側扁桃体の細胞体をNMDAの局所投与により破壊すると、社会刺激によるオキシトシン産生ニューロンの活性化が阻害され、社会記憶の成績が低下した。さらに、この内側扁桃体破壊による社会記憶の障害はオキシトシンの投与により回復した。 これらのデータは、社会刺激は内側扁桃体を介して下垂体後葉ホルモン産生ニューロンを活性化し社会記憶の形成を行っていることを示唆している。社会記憶の低下は自閉症患者で観察されており、オキシトシン投与により自閉症の症状が改善する。本研究の「扁桃体を破壊すると自閉症患者と同様に社会記憶が低下し、オキシトシンを投与すると社会的記憶が回復する」という成果は自閉症患者におけるオキシトシンの作用機序を明らかにする上で重要な所見と考えられる。
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