配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2011年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2010年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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研究概要 |
現在、臨床現場において様々な多剤耐性菌が出現し、耐性菌感染症は医療従事者が直面する重要な問題である。化学療法が困難な多剤耐性菌の出現により、人類は多くの感染症の脅威に曝されている。一方で、細菌ゲノム配列が解読され、細菌染色体上には、多剤耐性因子である薬剤排出ポンプをコードする数多くの遺伝子が潜在していることが明らかになってきた。薬剤排出ポンプは抗菌薬や細胞障害性異物を菌体外に排出することにより、細菌を様々な化合物に対して耐性化させる。これまでに、細菌が保持する数多くの薬剤排出ポンプを同定してきた。マルチコンポーネント型排出ポンプは、内膜の薬剤排出ポンプに加えて、外膜チャネル、ペリブラズムに存在するmembrane fusion proteinと複合体を形成することで、一つの薬剤排出システムとして機能していることが知られている。 しかしながら、ゲノム上に存在する複数の薬剤排出システムがどのような組み合わせで複合体を形成し、細菌の多剤耐性化に関与しているかは明らかにされていなかった。食中毒原因菌で、多剤耐性化が問題となっているサルモネラのゲノムにコードされる薬剤排出ポンプ9個に注目し、解析を進めた。その結果、内7個(AcrAB,AcrAD,MdsAB,MdtABC,EmrAB,MacAB)が、外膜蛋白質TolCと共役し、薬剤を排出していることが分かった。また、MdsABについては、MdsC外膜蛋白質とも複合体を形成して薬剤を排出することが明らかになった。
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