配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2011年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2010年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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研究概要 |
Wingless(Wnt)は分泌性細胞間シグナル伝達タンパク質で,線虫やショウジョウバエからヒトに至るまで生物種を越えて保存されており,細胞の増殖や分化・運動・初期胚発生時の体軸形成や器官形成等の重要な生物学的機能を制御する.Wntの細胞内シグナル伝達機構はAxinやβ-カテニンなど複数のタンパク質複合体により制御されている.本研究ではWntシグナル伝達経路の重要な3種類のタンパク質(Axin,Dishevelled(Dvl),Coiled-coil-DIX1(CCD1))が有するDIXドメインの結晶構造を解明し,それぞれのホモおよびヘテロオリゴマー化の本質を理解することを目的とした. 平成22年度は,CCD1-DIXドメインの結晶解析を行い,結晶中で7個のDIX分子が分子間のβ-ブリッジ相互作用により,らせん状オリゴマーを形成していることを見いだした.また,このらせんは,2本で逆方向の2重らせんを形成していた.平成23年度は,Dvl-DIXの点変異体の結晶解析に成功した.その結果,Dvl-DIXは,2種類の空間群に属する結晶が得られ,その結晶中でDIXドメイン分子は,それぞれ6回および8回のらせんを形成していることを明らかにした.らせんの1巻分のピッチや半径は異なるが,2番目と4番目のβ-ストランドによる分子間相互作用は,すべてのDIXドメインのホモオリゴマーで共通の相互作用様式であることがわかった.しかし,このDvl-DIXも2重らせんを形成するが,CCDl-DIXとは異なり,2本のらせんが,順方向に寄り添ってらせん間相互作用をしていることが明らかになった.
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