配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2011年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2010年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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研究概要 |
2光子励起で活1生化できるケージドルシフェリンの開発を目指し,以下の研究を行った。(1)Bmc基およびBhc基をホタルルシフェリン(fLuc)の4位のカルボキシル基にエステル型で導入した新規ケージドルシフェリン,Bmc-fLuciferin(Bmc-fLuc),および,Bhc-fLuciferin(Bhc-fLuc)を合成した。(2)Bmc-fLucの1光子励起条件下における光化学的性質を明らかにした。350nm光照射によるBmc-fLucの光分解の結果,fLucの生成を確認した。(3)740nmの2光子励起条件下でのBmc-fLucの光分解においても,fLucの生成を確認した。このときの光分解効率(uncaging action cross-section)は0.77GMで,生細胞または組織サンプルに対する2光子励起実験に用いるのに十分な大きさであることも明らかにした。 細胞内で形成される過渡的複合体の時空間動態を高解像度で制御する方法の確立を目指した。光分解性保護基であるBhcmoc基をPTX側鎖の2'-ヒドロキシ基に導入した2'-Bhcmoc-PTX,および,その7-メトキシ誘導体2'-Bmcmoc-PTXの合成に成功した。合成した候補化合物について,生理的条件を模倣した緩衝溶液中の光反応性を比較した。いずれの化合物も350nm光照射でPTXを放出すること,また,光分解効率は2-ニトロベンジル型ケージド化合物の典型的な光反応効率より5倍程度高いことを明らかにした。さらに,2'-Bhcmoc-PTXを加えても微小管形成には全く影響がないこと、光照射によってチューブリンの重合を安定化することを確認した。同様にして,アラキドン酸のケージド化合物を設計・合成し,DGKの細胞内動態を光制御可能であることを明らかにした。
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