研究領域 | 出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
22H04453
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
吉田 晃章 東海大学, 文学部, 准教授 (60580842)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アンデス文明 / 笛吹きボトル / whistling bottles / 土器 / 音響解析 / X線CT / X線CT解析 / 聴覚 / 水と音にかかわる世界観 / 古代アンデス / 認知考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
古代アンデスの笛吹ボトル(笛玉を備えた土器)に関する研究は、出土例が多いエクアドルにおいて、使用法や意味論的解釈などの研究が行われてきたが、科学分析を行った先行研究は数少ない。またペルーの各文化における笛吹ボトルの体系的研究もほぼなされていない。そこで東海大学が所蔵するコレクションを対象に、ペルーの笛吹ボトルのX線CT撮影を行い、欠陥解析などから成形と構造に関する研究を実施する。さらにSTLデータから3Dレプリカの作成を行い、実際に水を入れて音を鳴らし、音の解析から文化ごとの、あるいはボトルのタイプごとの音の特徴を把握し、「聴覚」という観点から当時のアンデスの人々の音に対する趣向や心性に迫る。
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研究実績の概要 |
本研究は、アンデス文明の笛吹きボトル(botella silbadora)を通じ、ヒトに備わった音や音楽に対する「聴覚」的趣向の変化や多様性を究明することを目的としている。笛吹きボトルとは、ホイッスル(笛玉)を備え、土器内部で水と空気が移動するときに音が鳴る内部構造が比較的複雑な土器である。笛吹きボトルは、「音とカタチ」の趣向をうかがい知ることができる遺物で、ペルーにおいては、紀元前12世紀頃から紀元後16世紀まで少なくとも2000年以上にわたって制作され続けた。研究では、東海大学が所蔵する51点を研究対象とし、ペルー由来の笛吹きボトルを実証的かつ体系的に研究することとした。 2023年度は、(1)おもにモデルを使用し、笛吹きボトルの音の解析を実施し、各部位が音色にどのような影響を及ぼすかを実証的に解明した。(2)さらに文化ごとの音色の特徴、あるいはボトルのタイプごとの音の特徴を把握することができた。これらを総合して「聴覚」という観点から当時のアンデスの人々の音に対する趣向や心性に迫った。 アウトリーチ活動としての「笛吹きボトル制作ワークショップ(以下WS)」を実施した。同WSは造形教育に聴覚的要素が加わるため、特に視覚に障害のある子供に対する美術教育で効果が期待できる。2022年度の二校(神奈川県立伊勢原養護学校伊志田分教室、筑波大学附属視覚特別支援学校)に加え、(3)2023年度は岡山盲学校、倉敷まきび支援学校でWSを開催した。WSを行う中で、聴覚と造形の関連性が垣間見られ笛吹きボトル自体への理解も深まった。(4)また笛吹きボトルを所蔵する倉敷考古館で企画展「音の造形-古代アンデスの笛吹きボトル」(9月13日~11月5日)を開催し、研究成果の一部とWS作品や笛吹きボトルのレプリカを公開した。(5)企画関連オンラインセッション「カカオとアンデス文明のゆりかご」にも参画した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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