研究領域 | 量子液晶の物性科学 |
研究課題/領域番号 |
22H04470
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 嘉大 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20804735)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | スキルミオン / 磁気光学効果 |
研究開始時の研究の概要 |
初年度においては、スキルミオン由来の(線形)磁気光学ファラデー・カー効果の探索を行う。ここでは測定を行うだけでなく、より広帯域での分光測定を行うため遠赤外領域の磁気光学測定の立ち上げも行う予定である。次年度においては、非線形領域への拡張を目指す。すなわち、スキルミオン由来の磁気光学効果を観測した光学遷移において第二次高調波発生の観測を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、量子液晶特有の光機能性を探索すべく、量子スピン液晶である磁気スキルミオンに注目した。スキルミオンはスピンが渦状に配列し、それぞれのスピンが球面の立体角を張るというトポロジカルなスピン配列をしている磁気構造体である。この特殊なスピン配列を反映して、電子は巨大な実効磁場(創発磁場)を感じることになるため、スキルミオンは特異な電磁気応答を示す。例えば、スキルミオン形成に伴い、ホール効果は急峻に増大するような振る舞いを見せる(トポロジカルホール効果)。本研究ではこのアナロジーとして、固体中の創発磁場によって光学応答も増大するのではないかという作業仮説のもと、巨大効果の実現を目指してきた。 様々な光学応答の中でも、最も力を入れたのが、磁気光学応答である。この効果の大きさは磁場や磁化に比例するため、創発磁場によっても増強されるものと期待できる。実際に、前年度はスキルミオン物質のGd2PdSi3において広帯域の磁気光学分光を行ったところ、特定の光学領域において磁気光学効果の大きさがスキルミオンの形成によって数倍にも増強されることを明らかにしている。今年度はさらなる拡張として、絶縁体GaV4Se8においても同様にトポロジカル磁気光学効果が発現するかを検証した。Gd2PdSi3と同様に広帯域のスペクトルを丹念に測定したところ、バンドギャップ近傍において、確かにトポロジカル磁気光学効果が発現していることがわかり、伝導電子の有無にかかわらず普遍的なものであることを証明した。また、GaV4Se8ではスキルミオンの大きさがGd2PdSi3の場合よりも10倍程度であるにも関わらず、効果の大きさは同等であった。現在は理論的な解釈を進めているところである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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