研究領域 | 量子液晶の物性科学 |
研究課題/領域番号 |
22H04478
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松野 丈夫 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (00443028)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | トポロジカル磁気構造 / パルスレーザー堆積法 / ホール効果 / 5d電子系 / DM相互作用 / スピン流 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノスケールのトポロジカル磁気構造である「スキルミオン」を構成単位とした量子液晶の探求を行う.エピタキシャル酸化物界面でのジャロシンスキー-守谷(DM)相互作用に由来するスキルミオン相を元に,パルスレーザー堆積法による薄膜・界面作製技術を駆使した物質開発により量子液晶を具現化する.スキルミオン数密度の指標となるトポロジカルホール効果とその電流密度依存性により,液晶状態におけるスキルミオンのダイナミクスを明らかにするとともに,スキルミオン生成の鍵となる界面DM相互作用を実験的に評価する.量子液相の自由度としてスキルミオンが加わることにより,より大きな量子液晶の理解に到達することを目的とする.
|
研究実績の概要 |
強磁性体と強いスピン軌道相互作用を持つ非磁性体からなるエピタキシャル酸化物界面で実現するジャロシンスキー-守谷(DM)相互作用に由来するスキルミオン相を元に、スキルミオン生成の鍵となる界面DM相互作用の実験的評価を試みた。非磁性体として5d電子系酸化物ならびに5d金属を用いることで以下の成果を得た。 (1) エピタキシャルヘテロ構造SrIrO3/SrRuO3を積層し、フォトリソグラフィにより一辺5μmの三角型微細構造を形成した。磁化ヒステリシスの非対称性からDM相互作用を決定できるが、微細構造では磁化も小さいため近接した二次元電子系LAO/STOを通したホールマグネトメトリデバイスによる電気的検出を試みた。デバイス構造は作製できたが有為な信号を観測するには至らなかった。 (2) エピタキシャルWO2薄膜上にスパッタ法により強磁性金属NiFeを積層し、界面における電流-スピン流変換に起因するスピン軌道トルクを高調波ホール効果により測定した。強磁性体の磁化反転に重要となるdampinglikeスピン軌道トルクの大きさからWO2のスピン流-電流変換効率が参照試料のWと大きさが同程度で逆符号であることを明らかにした。タングステン酸化物において初めて得られたスピン流物性であり、近年盛んに行われているイリジウム酸化物との比較から電子構造とスピン流の関係について先行する理論研究と一致する結果を得た。 (3) 磁性絶縁体MgFe2O4のエピタキシャル薄膜と金属Ptの界面スピン流特性をスピンホール磁気抵抗により評価した。MgFe2O4成膜時の酸素分圧はスピン流特性にほぼ寄与しない一方で、Ptを積層する前のMgFe2O4の表面アニール処理を行うことでスピン流特性が大きく改善することを明らかにした。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|