研究領域 | 変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot |
研究課題/領域番号 |
22H04487
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
神山 翼 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (40845715)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 西岸境界流 / 偏西風ジェット / 同期現象 / 境界流同期 |
研究開始時の研究の概要 |
黒潮とメキシコ湾流は北半球で最も強い暖流で,北半球有数の大都市圏に異常気象や漁獲量変動を通して人間生活にも大きな影響を与える。申請者は黒潮とメキシコ湾流の下流域の海面水温が同時に暖かくなったり冷たくなったりを繰り返す現象を発見し「境界流同期」と名付けた。これらの暖流は北米大陸をはさんで約一万キロメートル離れているにもかかわらず,中緯度地域の上空に一年中存在する強い西風である「偏西風ジェット気流」の南北移動を介して,互いの海流の強さや流路の変動の情報が交換され,水温を同期させる。本課題では,境界流同期を既知現象と照らした際の位置付けを理解し,我が国を始めとする中緯度気象との関係を探る。
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研究実績の概要 |
黒潮とメキシコ湾流の境界流同期(BCS)は、大気ジェット気流の南北移動とよく対応している。また、BCSは、北半球の冬のジェット気流の緯度位置を制御する最も顕著な大気内部変動モードである北半球環状モード(NAM)と共通変動を示すことが観測的に確認されている。そこで、本研究では、2つの西岸境界流域の海面水温をコントロールランに対して強く緩和する一連の高解像度ペースメーカー実験を実施した。これらの渦許容ペースメーカー実験は、BCSが極端なNAMイベントの存在を積極的にサポートし、それが冬の異常気象に直接影響することを示唆する。BCSがNAMの位相に影響を与える程度はアンサンブルメンバーによって異なるため、NAMに対するBCSの影響は確率過程的であると考えられる。 本研究の成果は、現在2件の国際学会発表が予定されており、かつ雑誌論文も準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、令和四年度は境界流同期と既知のモードとの関係を調べる予定であったが、令和五年度に予定していた気象影響まで調べ始めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、境界流同期と既存モードとの関係についての論文をまとめるとともに、境界流同期の気象影響を調べていく。
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