研究領域 | 変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot |
研究課題/領域番号 |
22H04488
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大畑 祥 名古屋大学, 高等研究院(宇宙), 助教 (70796250)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | エアロゾル / 鉱物ダスト / 氷晶核 / 航空機観測 / ブラックカーボン |
研究開始時の研究の概要 |
大気中の固体エアロゾルは、氷雲粒子(氷晶)を形成する核(氷晶核)として働くため、その発生源や動態の理解が重要課題となっている。本研究では、当該領域研究の計画研究として計画されている2022年夏の航空機観測において、大気エアロゾルをフィルタ上に採取する。採取したエアロゾルを近年開発された新しい光学的手法で分析することにより、夏季西部北太平洋の大気境界層内および自由対流圏中における、代表的な固体エアロゾルである鉱物ダスト等の典型的な数濃度を明らかにする。また、並行した分析により得られる氷晶核数濃度と固体エアロゾル数濃度の対応関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
夏季西部北太平洋の大気境界層内および自由対流圏中において、放射収支や雲の氷晶生成にとって重要な鉱物ダスト等の固体エアロゾルの典型的な数濃度とその変動を明らかにするため、2022年夏季に航空機を用いてエアロゾルをフィルタ上に採取した。テストフライトを含む計11フライトで採取したエアロゾル試料を実験室で水に分散させ、個々の非水溶性の固体粒子の複素散乱振幅を測定した。複素散乱振幅は粒子の複素屈折率・体積・形状に依存する複素数のパラメータである。複素散乱振幅のデータに基づき、固体粒子をダスト様粒子、ブラックカーボン(BC)様粒子、バイオエアロゾル様粒子に分類し、それぞれの数濃度を求めた。各フライトにおけるBC様粒子の数濃度は、航空機上で独立の測定器により測定されたBC粒子の数濃度と高く相関し、航空機上でのエアロゾルのフィルタ採取と固体エアロゾル分析の妥当性を支持する結果を得た。また、ダスト様粒子の数濃度の変動は、電子顕微鏡による鉱物ダストの検出数の変動と整合的であった。数フライトにおいて、顕著にBC様粒子とダスト様粒子の数濃度が増加し、アジア大陸起源のBCとダストが西部北太平洋の観測領域に輸送されたことが示唆された。発生源から離れた遠隔域におけるダストの数濃度の測定例は限られており、ダストの動態を理解する上で重要なデータであると考えられる。バイオエアロゾル様粒子はすべてのフライトを通じて非常に低濃度であり、数濃度定量の不確実性が大きいことが明らかになった。また、研究協力者の分析により、氷晶核数濃度の初期的なデータも得られた。今後、氷晶核粒子の数濃度に対する各種の固体エアロゾルの寄与の分析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、航空機を用いたエアロゾルの採取を実施し、固体エアロゾルと氷晶核の分析を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
固体エアロゾルの観測データの解析に加え、航空機に搭載された他の測定器によるエアロゾル数濃度・BC数濃度のデータの解析や、観測された空気塊の後方流跡線解析を実施することにより、固体エアロゾルの高度分布や起源を推定する。氷晶核粒子の数濃度に対する各種の固体エアロゾルの寄与の分析を進める。
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