研究領域 | 機能コアの材料科学 |
研究課題/領域番号 |
22H04514
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 玄器 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (30609847)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | メカノケミカル合成 / ヒドリドイオン導電体 / 混合導電体 / 触媒 / 固体電解質 / 電極 / 電気化学デバイス / 酸水素化物 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、酸化物ベースの結晶格子内に一定濃度以上の水素化物イオン(ヒドリド: H-)を導入できることが認識され,H-を含有する化合物が機能性材料の新たな探索対象として注目されている。本研究では,衝撃や摩擦などの機械的エネルギーによって物質を合成するメカノケミカル法を適用し,優れた電極・電解質性能を有するH-導電性材料を開発することを目的とする。遊星ボールミルを用いた機械的な原料の粉砕混合により,ほぼ非加熱でH-含有化合物を合成することが可能になれば,焼成時における原料の分解や金属析出が抑制できるため,これまで合成できなかった組成や構造の新物質創製が期待できる。
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研究実績の概要 |
蛍石型構造のLaH3-δは、高いヒドリドイオン導電性を示すが、水素欠陥の導入に伴って電子伝導性が発現してしまうため、固体電解質への応用が困難である。これまで、Hの一部をOに置き換えることで電子伝導性の発現を抑えることが試みられ、輸率測定においては電子伝導性が抑えられることが報告されていた。しかし、電池の固体電解質として機能するかどうかは未検証であった。本研究課題では、LaH3-δとSrH2の固溶体をメカノケミカル法によって合成し、電気的陽性なSrの導入によるH-の安定化、ひいてはH-導電性固体電解質としての機能発現を試みた。 LaH3-δの表面に存在する酸化皮膜の影響により、得られた生成物は、僅かに酸素を含む酸水素化物La1-xSrxH3-x-2yOy(0 < x < 0.7, y = 0.15)となり、組成x = 0.1, 0.2, 0.3は10-4 S/cm程度の比較的高い導電率を室温で示した。さらに、La1-xSrxH3-x-2yOyを固体電解質に用い、LaH3-d|La1-xSrxH3-x-2yO2|Tiで構成される全固体型の電池を作製して理論容量まで定電流放電反応をおこなったとこころ、Sr量が0.2以上ではTiを完全にTiH2まで完全に水素化させることに成功した。これは、ヒドリドイオン導電体を用いた電気化学反応で初めてファラデー効率100%を達成した成果である。一方、x = 0.1では電池が短絡したことから、LaH3-δの電子伝導性発現を抑制し、固体電解質として機能させるためには、Srのような電気的陽性なカチオンを少なくとも20%以上固溶させることが必要であるということが確認できた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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