研究領域 | 水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 |
研究課題/領域番号 |
22H04517
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
粕谷 素洋 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (00582040)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 水潤滑 / 全反射赤外分光 / 高分子電解質 / 水和 / 赤外分光 / 摩擦 / ソフト材料 / 水構造 |
研究開始時の研究の概要 |
水潤滑ソフト材料は低環境負荷や高生体親和性といった利点があり、船舶用軸受けや医療用シリンジに利用されている.水潤滑材料間の水の構造・特性評価は埋もれた界面の動的挙動が対象であるために困難であり,学術的,系統的な理解が進んでおらず,材料改良や機械設計を大きく妨げる原因となっている. 本研究計画では,摩擦in-situ 赤外分光装置を開発し,これを基に動的水構造の観測に基づ低摩擦発現の機構の分子レベルでの解明を行うとともに、基材・潤滑剤の動的分子挙動の評価手法としての確立を目指す.得られる潤滑機構は,水の力学的動的特性の学理構築に献し,水潤滑材料の改良や機械設計を飛躍的に発展させると期待できる.
|
研究実績の概要 |
水潤滑ソフト材料は低環境負荷や高生体親和性といった利点があり,船舶用軸受けや医療用シリンジに利用されている.水潤滑材料間の水の構造・特性評価は埋もれた界面の動的挙動が対象であるために困難であり,学術的,系統的な理解が進んでおらず,材料改良や機械設計を大きく妨げる原因となっている.本研究計画では,摩擦しながら赤外分光を行うことが可能な摩擦in-situ 全反射赤外分光装置を開発し,これを基に動的水構造の観測に基づいて低摩擦発現の機構の分子レベルでの解明を行うとともに、基材・潤滑剤の動的分子挙動の評価手法としての確立を目的とした. 本年度は,対象となる水潤滑ソフト材料(高分子電解質)の表面に対してX線光電子分光(XPS)や全反射赤外分光法(ATR-IR)と表面増強ラマン分光法を用いて表面の化学ジュの評価を行い,ポリマーの修飾密度と共重合したモノマーの修飾比率を評価することができた.さらにボールオンディスク型の摩擦試験機を用いて,水中における修飾試料の潤滑性能について調べ,せん断速度の増加に伴って摩擦力が低下するという特異な潤滑挙動を見出すことに成功した. さらにこの潤滑挙動の解明のため,全反射赤外分光装置に摩擦機構を組み込んだ摩擦in-situ 評価装置のプロトタイプを製作した.今後製作した装置を用いて,せん断しながら潤滑剤中の基材間の接触部分について,全反射赤外スペクトルを測定して,対象試料の特異な水潤滑性能に関する詳細な機構の解明を行う計画である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象となる水潤滑ソフト材料の表面に対してX線光電子分光(XPS)や全反射赤外分光法(ATR-IR)と表面増強ラマン分光法を用いて表面の化学ジュの評価を行い,ポリマーの修飾密度と共重合したモノマーの修飾比率を評価することができた.さらにボールオンディスク型の摩擦試験機を用いて,水中における修飾試料の潤滑性能について調べ,せん断速度の増加に伴って摩擦力が低下するという特異な潤滑挙動を見出すことに成功した. さらにこの潤滑挙動の解明のため,全反射赤外分光装置に摩擦機構を組み込んだ摩擦in-situ 評価装置のプロトタイプを製作した.今後製作した装置を用いて,せん断しながら潤滑剤中の基材間の接触部分について,全反射赤外スペクトルを測定することが本年度の予定であったが未達であり,今度実施していきたい.
|
今後の研究の推進方策 |
製作した全反射赤外分光装置に摩擦機構を組み込んだ摩擦in-situ 評価装置を用いて,水潤滑ソフト材料における水や高分子のせん断下に溶けるダイナミックな分子構造変化を観測して,水潤滑性能の機構解明と制御指針の提示を目指すとともに,潤滑機能への影響を調べる手法として確立を目指す.
|