研究領域 | 水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 |
研究課題/領域番号 |
22H04526
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
一川 尚広 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80598798)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ジャイロイド / プロトン伝導 / 水 / 燃料電池 / 界面伝導 / グロッタスメカニズム / プロトン伝導メカニズム / 液晶 |
研究開始時の研究の概要 |
燃料電池の更なる高機能化・低コスト化・環境調和性の改善を実現する上で、プロトン伝導膜設計技術の刷新は不可欠な課題である。これまで我々は、三次元連続性を持つジャイロイド曲面上に酸性官能基と水分子を配列することで、極めて優れたプロトン伝導膜の開発に成功してきた。本研究では、ジャイロイド界面上に沿った高速プロトン伝導現象に、膜中の水分子のダイナミクスがどのように関与しているかを明らかとすることを目的とする。更に、本研究を通し、『水分子をどのように制御できれば高速かつ効率的なプロトン伝導を促せるか?』という知見を明らかとし、このような視点からプロトン伝導膜を設計する材料技術の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
水素を基盤としたクリーン社会を実現する上で、燃料電池は中核を担うデバイスである。様々な形態の燃料電池が開発されているが、水素イオン(プロトン)伝導性高分子膜を用いた固体高分子形燃料電池は、低温から中温域で活躍するシステムであり、自動車などに最適なシステムである。ナフィオン(フッ素系高分子電解質膜)を用いて非常に優れた固体高分子形燃料電池が実現されているが、更なる高機能化・低コスト化・環境調和性の改善などを実現するためには、フッ素元素に頼らないプロトン伝導膜設計技術の刷新が不可欠である。 これまで我々は、ジャイロイド曲面(界面)の三次元連続性(XYZ軸すべての軸方向へ連続している)に着目し、『この曲面上に酸性官能基と水分子を配列することができれば理想的なプロトン伝導界面となるのではないか』と着想した。低分子の自己組織化を制御することでこの着想を実現することに成功し、極めて高速なプロトン伝導性を示すジャイロイド構造膜を得ることに成功した。 当該科学研究費助成事業において、我々は、このジャイロイド構造膜内の水分子の状態とプロトン伝導機構に注力して研究を進めた。示差走査熱量測定の結果、この膜内の水分子はすべて結合水として存在していることが分かった。また、膜内の水分子のダイナミクスを中性子準弾性散乱測定によって調べたところ、これらの結合水は局所的な回転運動をしていることが分かった。これらの結果を踏まえて、ジャイロイド構造膜内のプロトン伝導機構を考察したところ、水和したスルホ基から隣接するスルホ基にプロトンが飛んでいく界面プロトンホッピング伝導機構が支配的であることが分かった。界面プロトンホッピング伝導機構支配型のプロトン伝導体を世界に先駆けて報告・実証することができた。以上の結果は、高分子科学やナノ構造材料科学の更なる発展に寄与する知見であり、学術的に極めて意義深い結果である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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