配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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研究実績の概要 |
以下に、本研究計画において得られた研究成果を示す。 1.これまでの研究において、液晶性金属錯体型フォルダマー(Chem. Commun. 2022, 58, 3274, inside front cover)を用いたナノ空間に水が取り込まれる現象を観測した。本年度は、高輝度光科学研究センターの池本博士、原光生博士(現香川大学)と連携し、高湿度下の赤外分光測定(SPring-8, BL43IR)とXRD測定によりい、湿度に応じて液晶性金属錯体型フォルダマーが超分子構造を制御することを見出した。 2.サイズと化学的な空間が均一な大環状化合物の開発は、水を取り込むナノ空間の開発において重要である。本研究では、Xe NMRの専門家である名古屋工業大学の吉水広明准教授と連携して、カラムナー液晶性大環状化合物が筒状に自己集合してできるカラムナー組織構造の内側に孤立した空間が存在することを世界で初めて明らかにした(Angew. Chem. Int. Ed., 2024, 63, e202316523 Back cover))。 3.また、岐阜大学 工学部 池田将教授と連携し、環状DNAと直交方の自己集合を生じるジペプチド型ゲル化剤の粉末XRDを用いた構造評価を行った(Nanoscale, 2023, 15, 1024)。この直交型の自己集合は水中で生じるため、本研究における水中で機能するソフトマテリアルという観点からも興味深い材料である。 4.また、国際共同研究の一環として、ドイツ ミュンスター大学のB. J. Ravoo研究室と共同研究を行い、ネマチック相やスメクチック相を示すアリルアゾピラゾールの光応答性を調査した(Chem. Eur. J. 2023, 30, e202302958)。本研究は、今後高いHTP値を示すキラルドーパントを設計する鍵となる研究成果として得られた。
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