研究領域 | 水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 |
研究課題/領域番号 |
22H04554
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀内 新之介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (50755915)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 細孔性結晶 / 単結晶X線構造解析 / 界面水 / 水クラスター / 水素結合 / 放射光分光 / MD計算 / エントロピー / 超分子化学 / 結晶構造解析 / 分子集合体 / 放射光赤外分光 / 放射光軟X線分光 / 水の構造・運動 |
研究開始時の研究の概要 |
材料界面に存在する水分子は、材料界面からの影響を強く受けるため、バルク中の水分子とは性質が大きく異なることが知られている。本研究では、有機ホストとカチオン性錯体からなる細孔性結晶内部に形成する、1次元水チャネルの構造解析と性質解明を試みる。合わせて細孔性結晶の合成手法を応用し、様々な構造・性質を有する複合体結晶の創出し、結晶内部に形成する水クラスターの構造と性質も明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では環状有機ホストとカチオン性Ir錯体からなる超分子結晶内部に形成される,1次元水チャネルの水分子の構造および性質解明を進めてきた。これまでの研究で,1次元細孔壁面に形成した水クラスター構造の可視化および1次元水チャネルに含まれる水分子の放射光分光を行っており,水分子と材料界面の距離によって水分子の流動性が異なることを明らかにした。 本年度は1次元水チャネルのプロトン伝導度を測定し,1次元チャネルを形成している水分子の物性を調べた。超分子結晶は高湿度下でのみ安定であったため,結晶取り出し・すりつぶしによるペレット作成・測定ホルダーへの取り付け等の作業は相対湿度95%以上に保った容器に保管しながら測定サンプル準備を行った。温度可変測定の温度上限は35 ℃とし,95% RHから5%ずつ湿度を下げ,各湿度下で温度可変測定を行い,プロトン伝導度とその活性化エネルギーを算出した。その結果,明確な湿度依存性が確認され,35 ℃,95% RHの条件下で中程度のプロトン伝導度が得られた。またその活性化エネルギーは0.5~0.7 eVであり,プロトン伝導がVehicle機構によって進行していることが示唆された。この結果は,細孔中央部に含まれる流動性の高い水分子がプロトンキャリアとなり,プロトン伝導が進行していることを意味している。 有機分子と無機錯体からなる超分子結晶の細孔界面は,水圏で機能する材料界面のモデル構造として理解できる。本研究によって,超分子結晶の細孔界面が界面水の構造・動的挙動・物性の分析ツールとして機能することを明らかにできた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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