研究領域 | 地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 |
研究課題/領域番号 |
22H04570
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
飯田 崇史 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40722905)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ニュートリノ / 二重ベータ崩壊 / 無機シンチレータ / 高純度結晶 / ガドリニウム160 |
研究開始時の研究の概要 |
ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊が発見出来れば、ニュートリノの粒子-反粒子同一性(マヨラナ性)が判明し、物質優勢宇宙の謎に決着がつく。二重ベータ崩壊は、通常のベータ崩壊がエネルギー、スピンにより禁止・抑制されている特定の原子核でのみ観測可能である。核種による遷移確率(核行列要素)の理論的不定性もあるため、様々な原子核で実験することが必要となる。本研究では、既存の技術を応用して大型かつ高純度のCe:Gd3(Ga,Al)5O12(GAGG)結晶を開発し、それを用いてGd-160の二重ベータ崩壊探索の研究を高感度で行う。
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研究実績の概要 |
ニュートリノ(ν)を放出しない二重ベータ崩壊(0nbb)の観測は、素粒子νの本質に迫り、物質の起源解明に関わるため、現代物理学において非常に重要な研究であると位置づけられる。もし発見されればνの粒子-反粒子同一性(マヨラナ性)が判明する。その結果粒子数の破れから、物質優勢宇宙の謎に決着がつく(レプトジェネシス)。この二重ベータ崩壊の崩壊率は、核種による遷移確率(核行列要素)の理論的不定性もあるため、様々な原子核で実験することが必要となる。 本研究の目的は、160Gdの0nbb探索感度更新およびニュートリノを放出する二重ベータ崩壊(2nbb)発見を目指したPIKACHU実験のため、大型かつ高純度のCe:Gd3(Ga,Al)5O12(GAGG)結晶の開発を行うことである。これまでに得られたバックグラウンド(BG)レベルは、先行研究のウクライナでの実験よりもQ値で約一桁高かった。昨年度までに主に原料の酸化ガドリニウムを高純度化した2インチのGAGG結晶の作製に成功した。 本年度は、この高純度結晶を用いて、岐阜県神岡にある地下実験施設の極低バックグラウンド環境測定を行い、結晶内のバックグラウンドレベルを評価した。7月に高純度結晶を持って神岡地下実験施設へ行き、宇宙線が届かない地下1000mの鉛シールド内で数日間の測定を行った。そのデータに対し、シミュレーションを用いた評価手法を確立し、結晶内部のウラン、トリウム不純物量を定量的に評価することに成功した。その結果、主要なBG源であるウラン238上流とトリウム232の結晶内不純物が約1桁低減したことが判明した。この高純度結晶を大型化(6.5cmφ×14.5cmL)した際の二重ベータ崩壊への感度を見積り、結晶2本×期間1.5年の実験を行った場合、0nbbに対して4.4×10^22年の半減期感度が得られることを示し論文にまとめた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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