研究領域 | 地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 |
研究課題/領域番号 |
22H04573
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上向井 正裕 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (80362672)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 半導体レーザー / 半導体光増幅器 / 単一波長レーザー / 高出力レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
「物質優勢宇宙の謎」を解くためには、48Caの二重ベータ崩壊の観測が有望とされている。このCa同位体の自然存在比は非常に低いため、波長422.7 nmの青色単一波長高出力レーザーを用いてレーザー濃縮を行う必要がある。 市販の製品やその組み合わせでは要求仕様を満たす光源は実現できないため、本研究では単一波長レーザーとテーパ型光増幅器をモノリシック集積した小型・高効率なInGaN単一波長高出力光源を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
InGaN量子井戸エピタキシャル構造を用いた青色単一波長半導体レーザーについては、リッジ構造に周期的に溝を形成した周期的スロット構造レーザーと、リッジ構造の両側にDFBグレーティングを形成したLaterally Coupled DFBレーザーの設計・作製を行った。前者は電流注入に問題が生じたため、p側オーミック電極の作製プロセス改善を要する。後者から単一波長でのレーザー発振を確認したものの、発振波長が利得ピーク波長からややずれてしまった。グレーティング周期を微調整することでこれのずれを解消し、しきい値電流の低減や出力光パワーの向上を図る。 またテーパ型半導体光増幅器については、ビーム伝搬法による理論シミュレーションを行って最適な電極形状や駆動条件を見いだす必要がある。これには利得の電流密度依存性など種々のパラメータを実験的に求める必要があるが、入出射端面に低反射コーティングを施したファブリ・ペローレーザを作製したものの、光増幅特性を大きく左右するヒートシンクや高熱伝導接着材およびハイパワーレーザー用駆動電源の納期が非常に長くかかってしまい、光学実験が行えなかった。これらが入手でき次第光学実験を行い、出力光パワーの注入電流依存性やデバイス温度依存性を詳細に調べて各種パラメータを実験的に抽出する。理論シミュレーションにより電極形状の設計を進めるとともに、並行してテーパ型半導体光増幅器を作製し、出力光パワーや出射端面での光強度分布を詳細に調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
青色単一波長半導体レーザーについては、リッジ構造の両側にDFBグレーティングを形成したLaterally Coupled DFBレーザを設計・作製し、単一波長でのレーザー発振が得られた。しかし発振波長が利得ピーク波長からずれたため、グレーティング周期を微調整することでこれを改善する必要がある。 またテーパ型半導体光増幅器については、光増幅特性を左右するヒートシンクや高熱伝導接着材、ハイパワーレーザー用駆動電源の納期が非常に長く、作製はしたものの光学実験が行えなかった。これらが入手でき次第、光学実験を進める。
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今後の研究の推進方策 |
青色単一波長半導体レーザーについては、Laterally Coupled DFBレーザーにおいて単一波長でレーザー発振したものの、利得ピーク波長からずれていた。今後DFBグレーティングの周期を調整することでこの問題を解決し、しきい値電流の低減や出力光パワーの向上を図る。 テーパ型半導体光増幅器については、高熱伝導接着材およびハイパワーレーザー用駆動電源が入手でき次第、光学実験を行う。電極形状と出力光パワーや出射光強度分布の相関を詳細に調べ、これを反映して理論シミュレーションの精度を上げるとともに、光増幅器電極形状を最適化していく。 最終的には両者を1枚のチップに集積した青色単一波長高出力光源の作製・評価を目指す。
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