研究領域 | ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
22H04599
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
小林 寿夫 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (40250675)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 準結晶 / 近似結晶 / 放射光メスバウアー分光法 / 量子臨界性 / 価数揺動 / 元素選択的手法 / 放射光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、174Yb放射光メスバウアー分光法を用いて Yb 4f電子状態を直接観測することにより、価数揺動Yb系準結晶における量子臨界現象をその近似結晶と対比して解明することを目的としている。具体的には、近似結晶の Yb 4f 電子状態の近似度依存から、補空間上での局所構造と Yb 4f電子状態との相関を求める。次に、この補空間上での相関を利用して、準結晶の複雑な局所構造(電子状態)から得られる Yb 4f 電子の価数揺動ダイナミックスと量子臨界性との関係を明らかにする。得られた結果から、価数揺動 Yb 系準結晶での量子臨界性を引き起こす量子揺らぎの原因を解明する。
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研究実績の概要 |
価数揺動Au-Al-Yb準結晶の近似結晶を用いてその近似度およびYbイオンの平均価数を変えながら、Yb サイトの局所構造と電子状態との関係を明らかにすることが目的である。そのために、Ybイオンの電子状態を明らかにするための手法として、本研究では174Yb放射光メスバウアー分光法を用いている。 今年度は、100%174Yb同位体を濃縮したAu-Al-Yb 1/1近似結晶を測定試料として、1/1近似結晶の量子臨界性のチューニング変数である圧力に関して、Yb イオンの4f 電子状態の変化を実験的に求めることを目的とした。この目的達成のために、SPring-8 核共鳴散乱ビームライン(BL35XU)で低温・高圧力下174Yb 放射光メスバウアー分光測定を行った。Au-Al-Yb 1/1近似結晶は、磁化測定などの巨視的手法により 2 GPa 付近で量子臨界性を示すことが分ってきている。今回の低温・高圧力下174Yb 放射光メスバウアー分光測定の結果から、観測された吸収構造は、2.5Pa までの圧力領域で非対称であり超微細相互作用の非対称性(4f電子状態の空間分布)を反映していることが分った。特に、量子臨界転移向かって1.5GPa 以上の圧力下では低圧力下通常金属状態の吸収構造とは大きく異なることも分かった。この圧力範囲の低温 2 K において、Au-Al-Yb 1/1近似結晶は常磁性状態であるため、174Yb 核準位分裂は核位置での超微細相互作用の内で4f 電子空間分布による電場勾配の影響である。すなわち、Au-Al-Yb 1/1近似結晶の量子臨界点近傍で、Ybイオン4f電子状態の変化を初めて直接観測することに成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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