研究領域 | 蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学 |
研究課題/領域番号 |
22H04612
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 孝寛 名古屋大学, シンクロトロン光研究センター, 准教授 (50370127)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 光物性 / 固体電解質 / 放射光 / 電子状態 / 光電子分光 / 吸収分光 |
研究開始時の研究の概要 |
電極/固体電解質界面で生じるイオン輸送・蓄積機構を解明するためには、固体電解質表面・界面での電子状態を理解することが重要である。しかしながら、この系の電子状態については、理論計算が先行しており、実験観測の結果がほとんど報告されていない現状にある。本研究は、固体電解質のイオン伝導特性を担う電子状態を固体電解質単結晶におけるARPES測定によるバンド構造の直接観測により明らかにすることを目的とする。本研究の実現により、固体電解質における高いイオン伝導度がどのような相互作用により担われているか、という問いに対する答えを得ることで、蓄電固体材料におけるLiイオンダイナミクスの理解を進めることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、固体電解質のイオン伝導特性を担う電子状態を固体電解質単結晶におけるARPES測定によるバンド構造の直接観測により明らかにすることを目的とする。 目的を達成するために令和5年度は、まず系統的なARPES研究をさらに進めるために、これまでに我々がバンド構造観測に成功しているAサイト欠損型ペロブスカイト構造を有するLa(1-x)/3LixNbO3 (LLNbO; x ~0, 0.08) に対して、A2サイトLaを持ちNbをTiに置換したLi3xLa2/3-xTiO3 (LLTO) 、および、Li含有量が多く、複雑なイオン伝導パスが予測されているガーネット型固体電解質Li6.5La3Zr1.5Ta0.5O12 (LLZTO) におけるARPES測定を行った。その結果、それぞれバンド構造の直接観測に成功した。得られたバンド構造はLLNbOにおけるものと同様にDFT計算により定性的に再現されることを明らかにした。さらに、Li固体電解質において高いフラックス (1E+12 phs/s) を有する高輝度放射光を照射した際に生じるスペクトル変調の詳細解析の結果、観測されるスペクトル変調はLi結合状態が高結合エネルギー側のブロードな局在変調状態へと変化する第1段階 (Li+生成過程) とブロードな局在変調状態が高結合エネルギー側へとシフトする第2段階 (Li+拡散過程) の2段階のプロセスで生じることを示唆する結果を得た。さらに、LLNbOに対する電場印加環境下 (ホルダ側-0.1 V印加)におけるスペクトル変調観測の結果、第1段階のLi+生成過程が促進される傾向が観測されることを見出した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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