研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
22H04636
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 裕輝 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (50879971)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | TOLLIP / BiFC / CLEM / 膜タンパク質 / ERAD / ER-phagy / リソソーム / 小胞体ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
小胞体におけるフォールディングに失敗した膜タンパク質は、細胞毒性を防ぐため速やかに分解される。このような不良膜タンパク質の選択的な分解経路としては、プロテアソーム依存的な小胞体関連分解しか知られていなかった。しかし我々の最近の研究から、小胞体には選択的リソソーム分解を介した膜タンパク質の新たな品質管理機構が存在することが明らかとなった。この経路において不良膜タンパク質は、アダプタータンパク質TOLLIPに認識されて細胞質PI3P小胞へと移行したのち、リソソーム分解される。本研究ではさらなる分子メカニズム解析を通し、この経路の全体像や存在意義の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度までの解析の結果、細胞質タンパク質TOLLIPはERに蓄積したフォールディング不全の不良膜タンパク質をそのフォールディング異常やユビキチン鎖を手がかりに認識し、リン脂質PI3P依存的な何らかの膜輸送機構を介してリソソームへと輸送していることが示唆されていた。 本年度は、この膜輸送メカニズムの詳細に迫るため、当研究科機能病態学教室との共同研究で光-電子相関顕微鏡法(CLEM)を用いて膜輸送を担う構造の観察を行った。はじめに、BiFC(Bimolecular Fluorescence Complementation)法を用いてTOLLIPが基質を認識した後のTOLLIP-基質複合体が特異的に蛍光を発するようにしたところ、この複合体はPI3Pが豊富なpuncta構造に局在した。このPI3P punctaをCLEM法で電子顕微鏡観察したところ、エンドソーム様の一層の膜で覆われた小胞であることが見出された。このpuncta内は酸性環境でなく、従ってリソソームへと到達する前の輸送中間体であることが示唆された。以上より、TOLLIPは不良膜タンパク質基質を認識したのち、PI3Pが豊富なエンドソーム様小胞へ基質とともに移行することで最終的な基質のリソソームへの移行と分解を促進することが示唆された。以上の研究成果を報告する論文を、今年度、国際学術誌にて報告した(Hayashi et al., EMBO J, 2023)。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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