研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
22H04641
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中津 史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50360607)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 細胞膜分解 / メンブレンコンタクト / オートファジー / エンドサイトーシス / 細胞膜 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜は多くの重要な生理機能を発揮するために、細胞膜成分の量や質は厳密に制御されなくてはならない。エンドサイトーシスを介した細胞膜成分の分解は、広義のオートファジーとして捉えることができるが、その詳細な制御機構および生理機能については依然不明な点が多い。本研究では、刺激依存的な細胞膜成分の分解・分解回避機構について、異なるオルガネラが近接して形成される“オルガネラコンタクト”に着目し、その新規メカニズムと生理的役割の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
細胞膜は、シグナリング、エネルギー産生、物質透過・分泌・輸送、骨格・形態制御など様々な生理機能を担う。これら生理機能を支えるためには、細胞膜成分の量や質は厳密に制御されなくてはならない。特に、外界からの様々なシグナルに呼応して、エンドサイトーシスにより細胞膜成分の何をどのくらい分解もしくはリサイクルするのか、その量と質の制御は細胞膜生理機能に必須の制御である。このようなエンドサイトーシスを介した細胞膜成分の分解は、広義のオートファジーとして捉えることができるが、その詳細な制御機構や生理機能については依然不明な点が多い。 本年度は、我々が着目しているエンドサイトーシス制御分子の作用機序の解明を行った。エンドサイトーシス小胞への局在化機構を調べるため、エンドサイトーシス制御分子をGFP融合タンパク質として発現させ、エンドサイトーシス誘導条件下における特異的結合タンパク質を免疫沈降産物の質量分析により解析したところ、アクチン制御分子、ユビキチン結合タンパク質、及び小胞体タンパク質などの候補分子群を同定した。現在、これら候補分子との結合能を生化学的に検証中である。また、エンドサイトーシス制御分子の種々の機能ドメイン欠失変異体を用いて局在解析を行い、エンドサイトーシス小胞局在に必要なドメインの絞り込みを行ったところ、N末端領域の機能ドメインがエンドサイトーシス小胞局在に必須であることが判明した。この機能ドメインは、このエンドサイトーシス制御分子のオルガネラ膜上への局在にも必須であることが、細胞生物学的解析から明らかになった。さらに、個体レベルでの機能解明のため、このエンドサイトーシス制御分子の遺伝子欠損個体を用いたトランスクリプトーム解析を進め、ノックアウト個体において変動の大きなパスウエイを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にしたがい、今年度はまず着目しているエンドサイトーシス制御分子の作用機序解明を行った。生化学的解析から、エンドサイトーシス制御分子の特異的結合タンパク質候補を同定するとともに、エンドサイトーシス小胞局在化に関与する機能ドメインを見出した。また、個体レベルでの機能に関するデータも得られたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初の計画に沿って進める。作用機序の解明については、引き続きエンドサイトーシス構造への局在制御、およびエンドサイトーシス制御機構の解明を、生化学的解析に加え、イメージング解析により行う。また、エンドサイトーシスにより輸送される積み荷分子の同定、およびその分解・分解回避機構と細胞生理機能との関連を生化学的・細胞生物学的解析により明らかにする。
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