研究領域 | 全能性プログラム:デコーディングからデザインへ |
研究課題/領域番号 |
22H04665
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深谷 雄志 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00786163)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | エンハンサー / 転写因子 / 初期胚発生 / 転写 / ショウジョウバエ / 初期発生 / ゲノム構造 |
研究開始時の研究の概要 |
受精卵の全能性消失過程では母性因子に依存した遺伝子発現プログラムから、胚性ゲノムによって駆動される遺伝子発現プログラムへの大規模転換が起こる。全能性消失時の転写制御において中心的な役割を果たすのは、エンハンサーと呼ばれるゲノム中の調節領域である。しかし、エンハンサーがどのように標的遺伝子を転写活性化しているのかという問いは未解明である。本研究では、転写ライブイメージングやゲノム編集に加え、Micro-Cなどのオミクス解析や、新規デグロンシステムを用いたゲノム制御技術を組み合わせることにより、転写制御における高次ゲノム機能の全体像を解明し、全能性デザインに向けた基盤的知見を創出することを目指す。
|
研究実績の概要 |
ショウジョウバエ初期胚の全能性消失過程における、エンハンサー作用メカニズムについて、転写ライブイメージングや定量画像解析、ゲノム編集を駆使した解析を行った。人工的に設計したレポーター遺伝子を用いた解析をより詳細に行った結果、転写活性化時にエンハンサー上において、転写因子の濃度が局所的かつ一過的に上昇する新たな現象を明らかにすることに成功した。転写因子が形成する分子集合体は200-300nm程の直径であった。このことから、遠位に存在するエンハンサーが、標的遺伝子のプロモーターと物理的な直接相互を介さずに、転写を活性化できるという新たな可能性が示唆された。また、転写因子の持つ天然変性領域は、転写因子の濃度の上昇に寄与し、転写バースト誘導効率を正に制御していることが明らかとなった。次に今回明らかとなったメカニズムの生理的機能を解析するために、ゲノム編集を用いて内在の転写因子Bicoidのもつ天然変性領域に対して人為的な改変を導入した変異ショウジョウバエ系統を新たに作出した。Bicoidの標的遺伝子であるhunchback遺伝子の活性を転写ライブイメージングにより解析したところ、天然変性領域の異常伸長にともなって、hunchback遺伝子からの転写バースト誘導効率が異常に亢進していることが明らかとなった。さらに、詳細な表現型解析を行ったところ、天然変性領域の異常伸長に伴う転写プログラムの異常は、ショウジョウバエの体節構造の形成に顕著な異常を引き起こすことが明らかとなった。以上の成果は、全能性消失過程における転写制御の基本原理を理解する上で、重要な知見となるものである。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|