研究領域 | 多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 |
研究課題/領域番号 |
22H04688
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮成 悠介 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 准教授 (60469608)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | エピジェネティクス / クロマチン |
研究開始時の研究の概要 |
複雑な遺伝子発現ネットワークの維持機構を理解するためには、クロマチン上に形成された多種多様なタンパク質複合体とエピゲノム修飾のクローストークを明らかにする必要がある。しかしながら、ChIP-seq法などの従来のクロマチンプロファイリング技術では、一度に解析できる標的因子は1種類に限られ、複数因子のクロストークを解析することは困難である。本研究では、「クロマチン上の複数の標的因子(タンパク質複合体あるいはエピゲノム修飾)を同時に検出する革新的技術NMC法」を開発することで、転写複合体の多様性の実態を把握し、それらが引き起こすエピゲノム変換および転写制御機構の解明に迫る。
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研究実績の概要 |
本年度は、主にリコンビナント抗体の整備に注力し、10種類のタグ抗体、25種類のクロマチン修飾抗体、8種類の転写因子への抗体を作製することに成功した。タグ抗体に関しては、その抗体の特異性、および結合力を総合的に評価するために、ウエスタンブロット、ELISA、免疫染色、CUT&RUNなど様々なアプリケーションによって、そのパフォーマンスを評価した。現在、その研究結果を論文として投稿すべく、結果を取りまとめている。ヒストン修飾抗体については、特性等の評価をヒストン修飾ペプチドアレイ等を用いて評価した。一部の抗体は、その特異性に問題があったため(他の化学修飾にクロスリアクトしたため)、使用できないと判断されたが、約70%程度のヒストン修飾リコンビナント抗体は、特性試験をパスしている。RNAポリメレースやCBPなどの転写関連因子等への抗体は、ノックアウト細胞などのコントロールを用いることで、その評価を行った。これらのリコンビナント抗体は、最終的にはクロマチンプロファイリングに用いるため、CUT&RUNアッセイによってそのパフォーマンスを評価したところ、概ね良好な結果をえている。実際に、細胞内でのタンパク質複合体やエピジェネティクスとのクロストークを解析するために、それらの抗体を用いてmulti CUT&TAGアッセイの立ち上げを行った。当初よそうしていたよりも、Tn5によるタグメンテーションの効率が低いため、現在Tn5による反応条件の改善をおこなっている。また、本研究において作成したリコンビナント抗体(anti-Survivin 抗体)を用いた研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リコンビナント抗体の作成および評価、さらにはノックイン細胞の作成など当初の予定通り進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、調整したリコンビナント抗体を用いて、多次元のmultiCUT&RUNアッセイの立ち上げにまず注力する。また、TFDP1転写複合体の解析などを、multiCUT&TAGアッセイにより行うことで、細胞内における複合体の実態、さらにはエピジェネティクス修飾のクロストークを明らかにする。
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