研究領域 | 多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 |
研究課題/領域番号 |
22H04690
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横林 しほり 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (20615736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | エピゲノム多様性 / リプログラミング / ヒトiPS細胞 / 生殖細胞 / in vitro誘導系 |
研究開始時の研究の概要 |
エピゲノムリプログラミングは、エピゲノム状態のゲノムワイドな変化を介して細胞の運命変化や初期化を促す生命現象であり、哺乳類の初期胚や生殖細胞の発生、さらにiPS細胞(人工多能性幹細胞)の樹立に重要な役割を果たす現象である。しかし、リプログラミング過程が高次クロマチン動態に与える影響、およびその後の細胞運命に与える影響は明らかではない。本研究ではこれまでに見出されたヒトiPS細胞株のエピゲノム多様性(不均一性)を基盤とし、クロマチン高次変化および生殖細胞分化に与える影響の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
我々はこれまで、ヒトiPS細胞を起点とした試験管内始原生殖細胞誘導分化系を報告してきた(Yamashiro et al., 2020)。一方、女性細胞株(XX型)群では誘導効率における株間差異が特に大きく、また顕著な株間エピゲノム多様性が観察されていた(Yokobayashi et al., 2017, 2022、未発表データ)。本研究では、これらのエピゲノム多様性(不均一性)が始原生殖細胞様細胞への分化能や、さらにその分化過程で観察されるゲノムワイドなエピゲノム変化に与える影響を明らかにすることを目的とする。 令和4年度は、まず、新たに入手した女性ヒトiPS細胞株群を用いてレポーター細胞株群を作製し、試験管内始原生殖細胞様細胞の誘導効率の検証を行った。続いて、これらの細胞株におけるエピゲノム状態を明らかにするため、作製したレポーター細胞株群を用いて、未分化状態におけるヒストン修飾およびクロマチン結合タンパク質に対するChIPseqデータを取得した。加えて、RNAseqおよびWGSデータを取得し、細胞株の未分化状態の評価解析を進めた。次に、これらのレポーター細胞株群を用いて、誘導した始原生殖細胞様細胞とマウス胎仔卵巣細胞を共培養し(異種再構成卵巣培養系、Yamashiro et al., 2020)、始原生殖細胞様細胞から卵原細胞様細胞への分化実験を行った。この際、細胞株間比較解析をよりロバストに行うため、条件検討実験を試行し、既報の誘導条件の至適化を行った。この系を用いて、一細胞解像度遺伝子発現解析およびDNAメチル化解析のためのデータ取得を行った。現在、引き続き、分化誘導実験およびデータ取得を進めている。これらの研究は北村彩佳博士研究員(京都大学高等研究院)の協力を得て実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では細胞株間比較を行うことを目指しており、本年度の研究実施により、複数の女性iPS細胞株から効率よく試験管内始原生殖細胞誘導分化を行うことが可能となった。また、エピゲノム解析等の各細胞株の評価解析も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、一細胞解像度遺伝子発現解析およびDNAメチル化解析のデータ取得と解析を推進する。さらに、X染色体不活性状態に着目し、その株間差異および変化を詳細に解析していく予定である。
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