研究領域 | 細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 |
研究課題/領域番号 |
22H04710
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 純一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30345186)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | イネ / 葉原基 / 発生 / 遺伝学 / 葉 / 周期性 |
研究開始時の研究の概要 |
葉の分化パターンは明確な空間的、時間的周期を示すが、時間的な周期である葉間期についてはその発現メカニズムの解明は進んでいない。また、葉原基として分化した後の葉の組織形成においても様々な周期性が現れるが、その発生遺伝学的な制御機構に関しては不明な点が多い。本解析はイネに見られる葉の分化パターンや葉の組織形成の周期性を、一般的な発生遺伝学的解析法に加えて、数理モデルの構築や、蛍光検出を用いた高度な発現解析系、X線CT解析装置を用いた内部構造の非破壊解析系の利用などにより明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
葉原基分化の時間的周期の変調機構の解析においては、これまで明らかになっていなかったオオムギの二つの葉間期制御遺伝子(MND1とMND4)の相互作用を二重変異体の調査によって明らかにした。その結果、イネやオオムギの他の変異体との組み合わせで見られたような、表現型の相加的な効果は見られなかった。このことはMND1とMND4の二つの遺伝子は葉間期制御に関して同じ経路で機能することを意味しており、葉間期制御の分子実体を明らかにする上で重要な知見を得ることができた。また、葉原基分化周期の数理モデルの解析においては、葉間期に影響する最も重要なパラメーターである葉間期比(plastochron ratio)を、葉間期が短縮する変異体と野生型を用いて比較した。その結果、両者に顕著な違いが認められた。この葉間期比の差は主に変異体と野生型の葉の厚みに依存していると考えられ、葉間期変異体では葉の厚みが薄くなることによって葉間期に影響を与えていることが示唆された。また、SAMにおける葉原基の分化パターンにはオーキシン動態が重要であることが示唆されているが、このことを検証するためにオーキシン合成変異体と葉間期変異体の二重変異体を作成した。その結果、オーキシン合成変異体は葉間期変異体の葉間期の短縮を弱く回復させることが明らかとなった。このことから変異体における葉間期の短縮には十分なオーキシンの供給が必要であることが示唆され、今後の葉原基の時間的分化に関する数理モデルの構築に向けての知見を蓄積することができた。 イネの葉の内部組織や細胞の周期的分化に関わる遺伝子の機能解析に関しては、通気組織形成過程で働く遺伝子や気孔や気孔腔形成に働く遺伝子の機能破壊系統の表現型解析に関する多くの知見を蓄積し、今後の分子的な作用機序の解明に資する成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい遺伝子発現の観察技術の構築(多重蛍光in situ hybridization)に関しては、当初計画した手法では検出が困難であることが判明したが、他の解析(ゲノム編集による変異体の作出と機能解析)においては計画通りの成果が得られた。また、葉間期の数理モデルの構築に関しても、重要な足掛かりを得ることができたことから、おおむね順調であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初の計画通りに研究を進めるが、遺伝子発現の観察技術に関しては、計画になかった他の手法を検討する予定である。
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