公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
植物の葉や花などの器官は多くの細胞から成っており、植物が成長する際には細胞が分裂し数を増やす必要があります。植物が適切な形や大きさの器官を形成するのは、このときの細胞分裂が厳密に制御されているためです。本研究ではこのような植物の形作りに重要な細胞分裂の制御の仕組みを明らかにします。また、動物のように動くことのできない植物は環境の変化に応じて自らの成長を柔軟に調節する能力を持っています。このような周囲の環境や細胞内の状態に応じて細胞分裂を柔軟に制御する仕組みについても研究を行います。
DREAM complexはE2FとMYB3Rなどの細胞周期制御に重要な転写因子を含む複合体であり、広範囲の細胞周期遺伝子の転写を制御している。DREAM構成因子の1つをコードするTCXファミリーには、気孔系譜細胞に特異的なSOL1とSOL2が存在しており、二重変異体は気孔系譜細胞の過剰な分裂による気孔の発生異常が生じることを既に明らかにしている。TAP tagを利用したタンパク質複合体解析からは、SOL1はE2FおよびDPファミリータンパク質と相互作用していることが示唆された。また、e2fの変異がsol1 sol2二重変異体の異常を抑圧する効果があることが分かった。R2R3型Myb転写因子をコードするFLPの変異はsol1 sol2と同様の表現型を示すことなどから、同一の経路で機能していることが示唆されている。e2f変異はflp変異体に対しても抑圧効果を示すこと、FLP過剰発現による気孔系譜細胞の分裂抑制を強く促進することが分かった。このような結果から、FLP、SOL1/2およびE2Fの三者が密接に関わり、SOL1/2とE2Fの物理的な相互作用が関与する転写制御系が存在し、気孔系譜細胞の細胞周期を制御しているものと予想された。細胞サイズ制御因子SCL28については、免疫沈降と質量分析による解析を行った結果、AtSOMS1に加えて、新たな相互作用因子として新規GRAS転写因子を同定した。このGRAS転写因子は2つのよく似た遺伝子にコードされており、二重変異体ではscl28変異体と同様の細胞サイズの低下が観察される。scl28変異を組み合わせて解析したところ、根では単独変異と同じ表現型を示すが、葉では組み合わせにより表現型が強くなることが分かった。このようにSCL28は複数のタンパク質と相互作用しながら、組織特異的な仕組みで機能し細胞サイズを制御している可能性が示唆された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (8件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 6件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
Plant Biotechnology
巻: 40 号: 4 ページ: 353-359
10.5511/plantbiotechnology.23.0515a
Communications Biology
巻: 6 号: 1 ページ: 903-903
10.1038/s42003-023-05259-2
Journal of Experimental Botany
巻: 75 号: 1 ページ: 180-203
10.1093/jxb/erad331
The EMBO Journal
巻: e111980 号: 10
10.15252/embj.2022111980
International Journal of Molecular Sciences
巻: 24 号: 4 ページ: 4143-4143
10.3390/ijms24044143
Life
巻: 12 号: 9 ページ: 1356-1356
10.3390/life12091356
巻: 73 号: 22 ページ: 7312-7325
10.1093/jxb/erac352
Plant Signaling & Behavior
巻: e2153209 号: 1 ページ: 1-5
10.1080/15592324.2022.2153209
バイオサイエンスとインダストリー
巻: 80 ページ: 458-459
巻: 80 ページ: 483-485
http://bio.w3.kanazawa-u.ac.jp/bio-s/plantdev/
https://sj.jst.go.jp/news/202206/n0623-03k.html