研究領域 | 細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 |
研究課題/領域番号 |
22H04724
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋村 正樹 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (00432708)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 葉序 / 頂端細胞 / コケ植物 / 細胞分裂 / 細胞壁 / メロファイト / カロース / セントリン |
研究開始時の研究の概要 |
電子顕微鏡レベルでの頂端細胞の微細形態観察、光学顕微鏡を用いたライブイメージング、共焦点レーザー顕微鏡を用いた立体的観察で、頂端細胞内部の細胞周期を通じたオルガネラ配置の周期的変遷を明らかにする。頂端細胞を取り囲む、各面の細胞壁について、組成や伸長に関わる性質の違いを検出する。研究を通じて「葉序」を生み出す「内的振動子」の役割をもつ細胞構造・現象を同定する。さらに,シミュレーション上で、様々なコケ植物の立体的体制を再現し、細胞分面制御と細胞壁の成長比率の制御による規則的な植物体形態形成の数理モデルを確立する。
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研究実績の概要 |
葉序開度が異なるコケ植物の間で,頂端細胞の隣接メロファイトにおける細胞分裂パタンと頻度,細胞壁成分の変化,メロファイトの外形の成長を観察し,それらの要素の厳密な葉序角度へ収束する過程との連関を解析した.メロファイトの外形が成長する過程でのメロファイト内の細胞分裂パタンと頻度には種ごとの大きな違いは見られなかった.その一方,メロファイト全体の体積は葉序開度が大きいヒメツリガネゴケにおいて早い増加速度が見られた.頂端細胞の分裂面旋回角度(約120度)と葉序の開度に差がないヨツバゴケでは,メロファイトが等方的な成長を行う一方,頂端細胞の分裂面の角度に対し,より開度の大きい回転葉序(144度,135度)を形成する種では,メロファイトは異方的な成長を示し,葉序の螺旋の回転方向に大きく伸長し,外形の変化が大きいことが明らかになった.頂端細胞を取り囲む初期のメロファイトで,メロファイトの外形が異方的に変化する領域では,細胞壁がカロースに富んでおり,細胞やメロファイト外形に可塑的な性質をもたらし,葉序角度の変調に影響を及ぼしていることが示唆された. 頂端細胞の旋回分裂の仕組みを探ることを目的に,その非対称分裂の向きが周囲の細胞壁の齢により決まると仮定し,シュートの分枝時に新たに形成される頂端細胞の分裂旋回を再現するか数理モデルを用いた理論的な研究を行った.回転方向の様々な変化が報告されている茎葉性タイ類を対象に,そのシュートの横断面での発生を記述する数理モデルを構築した.シミュレーションの結果,分枝によって形成される頂端細胞はメロファイト上で元の頂端細胞の旋回分裂の回転方向に対して正(負)の側に由来するときは順回転(逆回転)を示した.これは先行研究の観察結果を再現した.頂端細胞は周囲の細胞の齢を何らかの方法で感知し分裂方向を決定している可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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