研究領域 | 身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 |
研究課題/領域番号 |
22H04781
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
前田 貴記 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40296695)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 主体感 / セルフモニタリング / 認知リハビリテーション / sense of agency / schizophrenia / mood disorder / occupational dystonia / cognitive rehabilitation / 精神疾患 / 神経疾患 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
神経疾患・精神疾患の心身機能を「回復」させるための方法としては、生きる主体の意欲、気分、動機付けなど、意識・アウェアネスのレベルからトップダウンに神経系にはたらきかけるアプローチも重要である。我々は、行為における「主体感:sense of agency」の精度を向上させるリハビリテーション方略を考案したが、神経系の再編成による心身機能の超適応の促通を目指す。いわば、こころ(体験)から脳へと介入し、脳を変えようという試みである。ボトムアップな神経科学的アプローチと相補的に進めることで、超適応が、より高い水準で実現できるものと考える。
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研究実績の概要 |
神経疾患・精神疾患において異常な状態にある心身機能を「回復」させるために、主体の意識・アウェアネスのレベルからトップダウンに神経系にはたらきかけ、神経系の再編成を通じて、心身機能の超適応を促通する方法の確立を目指して研究を進めている。具体的アプローチとしては、「主体感:Sense of Agency(SoA)」の精度を向上させるための認知リハビリテーション方略(Agency Tuning)を用いて、臨床研究を進めている。主体感という、人間が環境に適応して生きていくための基盤となる意識・アウェアネスの精度を向上させることにより、疾患横断的に心身機能を「回復」させることを目指している。なお、Agency Tuningのためのアプリケーションである『Agency Tuner』については、より難易度の高いversion(『Agency Tuner for Artists』)を作成し、職業性ジストニア(イップスなど)をターゲットとした研究も開始している。また、これまでは、時間バイアスを導入したSoA研究を進めてきたが、空間バイアスを導入したSoA課題を新たに作成し、統合失調症などの精神疾患において、時間バイアスによるSoA課題と、空間バイアスによるagency課題とで、異常パターンの違いがあるのかどうかについても検討している。さらに、気分状態(mood)のモニタリングシステムを開発し、Agency Tuningによる介入が、他の心身機能の回復にまで汎化されるかどうか、検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍における感染制御の観点から、行動実験の被験者のリクルートには、やや進捗の遅れがある。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染症も、5類相当となるため、今後、被験者のリクルートを推進していく。
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