研究領域 | 「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究 |
研究課題/領域番号 |
22H04803
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 寧 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60292984)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 亜鉛 / ウイルス / HSV / 生命金属 / 小胞媒介性核外輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
生命金属は全ての生物においてその生命維持に必須であるが、ウイルス生活環におけるその役割は殆ど明らかになっていない。HSVのカプシドは、生物学上極めてユニークな「小胞媒介性核外輸送」と呼ばれる機構によって核膜を通過する。本研究は単純ヘルペスウイルス(HSV)感染細胞における生命金属、及びそのトランスポーターの動態変化を質量解析やイメージング解析によって明らかにし、HSVの小胞媒介性核外輸送におけるそれらの意義を解析する。
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研究実績の概要 |
生命金属はすべての生物においてその生命維持に必須であるが、単純ヘルペスウイルス(HSV)生活環における役割は殆ど明らかになっていない。最近、我々は細胞内の様々な分子の動態を制御するトランスポーターの活性が、HSVのウイルス増殖に寄与することを報告した(J. Virol. 96: e00306-22 [2022])。本知見は、HSV感染時、トランスポーターを介した輸送物質の動態変化がウイルス増殖に影響を与えることを予想させた。これらの背景を元に本課題ではHSV生活環に関わる生命金属とそのトランスポーターを探索し、その意義解明を試み、以下の知見を得た。1)HSV増殖に寄与する生命金属トランスポーターをCRISPR/Cas9を用いたスクリーニングにより探索したところ、1つの亜鉛トランスポーターが候補に挙がった。2)当該亜鉛トランスポーターの発現抑制または、そのトランスポーターの機能を抑制する薬剤処理によって、HSVの子孫ウイルス産出量が約10倍程度低下した。3)亜鉛インジケータを用いて亜鉛の局在を観察したところ、HSV感染により細胞内の亜鉛の局在が変化することが観察された。4)マウスへHSVを脳内接種時、当該亜鉛トランスポーターの阻害剤を同時に接種することにより、DMSO同時接種群と比較してマウスの致死率が有意に低下した。これら一連の解析から、生命金属である亜鉛及び当該亜鉛トランスポーターは、HSVの生活環において重要な役割を持つことが明らかとなったと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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