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植物の環境応答を調節する新規マグネシウム輸送体の同定と輸送制御機構の解明

公募研究

研究領域「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究
研究課題/領域番号 22H04805
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 複合領域
研究機関名古屋大学

研究代表者

井上 晋一郎  名古屋大学, 理学研究科, 講師 (40532693)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワードシロイヌナズナ / 気孔開口 / マグネシウム / ホメオスタシス維持 / 液胞 / 植物 / イオン輸送体 / シグナル伝達
研究開始時の研究の概要

生命金属であるマグネシウム(Mg)は、植物体内で多くの酵素の補因子として利用され生命活動を支えている。ところが、植物におけるMgの生体内動態に関する知見は乏しく、Mg輸送機構やMgホメオスタシス維持がどのような植物応答に役立っているのかほとんど明らかでない。本研究では、申請者が最近明らかにした新規のMg輸送体候補CST2を対象として研究を進め、CST2分子のMg輸送制御機構とCST2を活性化するシグナル伝達機構を明らかにする。さらには、Mgの生体内動態を明らかにするためのMgイメージングの系を構築する。これらを通じ、植物のMgホメオスタシス維持機構を特徴づけ、Mgの活用の理解を促進させる。

研究実績の概要

マグネシウム(Mg)は、植物体内で多くの酵素の補因子として利用されて生命活動を支える「生命金属」である。ところが、植物におけるMgの生体内動態に関する知見は乏しく、Mg輸送機構やMgホメオスタシス維持がどのような植物応答に役立っているのかほとんど明らかでない。これまでに我々は、新規の液胞膜タンパク質であるCST2が液胞の中にMgを輸送する活性を持ち、この輸送が植物のMg恒常性維持と気孔開口に必要であることを明らかにした(Inoue et al., 2022 New Phytologist)。
今年度は、CST2によるMg輸送が細胞内でどのように調節されているのかを明らかにするため、CST2の活性調節因子の探索と同定を行なった。これまでにMgの液胞への輸送を調節することが知られているCBLs-CIPKsに着目し、機能解析を進めた結果、CBLs-CIPKsがCST2と物理的に相互作用し、CIPKsがCST2の細胞質領域をリン酸化することを突き止めた。さらに、質量分析により植物体内でのCST2のリン酸化部位を同定し、機能解析も進めている。酵母を用いたCST2の活性評価系を用い、リン酸化部位に変異を導入したCST2のMg輸送活性を調べた結果、膜貫通領域に近い一つのThrのリン酸化が機能に必要であることを見出した。現在、同変異を持つCST2を発現するトランスジェニック植物を作成し、さらなる機能解析を進めている。また、CST2と相互作用するタンパク質を網羅的に探索した結果、酸化還元調節因子として知られるXが候補として得られた。Xのノックアウト変異株ではcst2変異株と同様にMg恒常性維持が損なわれ、気孔開口も抑制されていた。これらの結果から、XがCST2と近傍の同一シグナル伝達上で働く因子であることが明らかになった。今後はさらなる機能解析を進め、Xの生化学機能を突き止めたい。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] University of Minnesota(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] A tonoplast‐localized magnesium transporter is crucial for stomatal opening in Arabidopsis under high Mg <sup>2+</sup> conditions2022

    • 著者名/発表者名
      Inoue Shin‐ichiro、Hayashi Maki、Huang Sheng、Yokosho Kengo、Gotoh Eiji、Ikematsu Shuka、Okumura Masaki、Suzuki Takamasa、Kamura Takumi、Kinoshita Toshinori、Ma Jian Feng
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: 236 号: 3 ページ: 864-877

    • DOI

      10.1111/nph.18410

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Type 2C protein phosphatase clade D family members dephosphorylate guard cell plasma membrane H+-ATPase2021

    • 著者名/発表者名
      Akiyama Mitsumasa、Sugimoto Hodaka、Inoue Shin-ichiro、Takahashi Yohei、Hayashi Maki、Hayashi Yuki、Mizutani Miya、Ogawa Takumi、Kinoshita Daichi、Ando Eigo、Park Meeyeon、Gray William M、Kinoshita Toshinori
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: 188 号: 4 ページ: 2228-2240

    • DOI

      10.1093/plphys/kiab571

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] マグネシウム輸送による気孔開口の発見2024

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎
    • 学会等名
      第65回日本植物生理学会年会 シンポジウム「生物の多様な生命金属戦略」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Magnesium transport to the vacuoles in guard cells is involved in stomatal opening2024

    • 著者名/発表者名
      Inoue S
    • 学会等名
      International workshop on plant mineral transport
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 近位依存性標識酵素AirIDを利用した植物のマグネシウムホメオスタシス維持機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会 シンポジウム「BioID技術が切り拓く細胞から個体レベルまでのタンパク質間相互作用解析」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] シロイヌナズナにおける液胞へのマグネシウム輸送調節機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎、林真妃、Sheng Huang、横正健剛、奥村将樹、鈴木孝征、木下俊則、馬建鋒
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 液胞を舞台としたシロイヌナズナのMgホメオスタシス維持機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎
    • 学会等名
      植物の栄養研究会 第8回研究交流会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] A tonoplast-localized magnesium transporter is crucial for stomatal opening in Arabidopsis under high Mg2+ condition2023

    • 著者名/発表者名
      Inoue S, Hayashi M, Huang S, Yokosho K, Gotoh E, Ikematsu S, Okumura M, Suzuki T, Kamura T, Kinoshita T, and Ma JF
    • 学会等名
      33rd International Conference on Arabidopsis Research
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 液胞を舞台とした植物のMgホメオスタシス維持機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎、林真妃、Sheng Huang、横正健剛、木下俊則、馬建鋒
    • 学会等名
      第2回生命金属科学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 植物のMgホメオスタシス維持を調節するイオン輸送体とシグナル伝達機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎、林真妃、Sheng Huang、横正健剛、後藤栄治、池松朱夏、奥村将樹、鈴木孝征、木下俊則、馬建鋒
    • 学会等名
      第17回トランスポーター研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ダイズにおける青色光によって誘導される葉の運動の解析2023

    • 著者名/発表者名
      久保裕亮、三島梨愛、木下俊則、井上晋一郎
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 近位依存性標識酵素AirIDを利用した新奇気孔開口シグナル伝達因子の同定2022

    • 著者名/発表者名
      井上晋一郎
    • 学会等名
      第1回PRiME共同研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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