研究領域 | 「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究 |
研究課題/領域番号 |
22H04823
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
三原 久明 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324693)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | セレン / 代謝 / 微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、微生物が駆動するセレンの動態を「ヒトと環境を繋ぐセレノダイナミクス」と捉え、ヒト尿中に排泄される主要な有機態セレンを対象とし、微生物駆動型セレノダイナミクス研究のさきがけとなる研究課題に取り組む。哺乳動物が排出したセレンが滞留することなく生態系で拡散・循環するメカニズムやセレン欠乏・蓄積環境における微生物のはたらきを解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
1. セレノシュガー資化性微生物のスクリーニングとゲノム解析 セレノシュガー(SeSug)の分解産物であるメタンセレニン酸(MSeIA)に着目し、MSeIA資化性細菌の単離を試みた。MSeIAの分解・資化性細菌は、自然界に存在する優占的な有機セレン化合物の分解経路をも明らかにできる可能性を秘めている。MSeIAは細菌に毒性を示したため、資化性菌の単離には至っていないが、耐性菌を得ることに成功した。また、MSeIAの類縁体であるメタンスルフィン酸(MSIA)を分解して生育するMSIA資化性細菌4株を単離し、現在、ゲノム解析やMSIA資化経路の解明を目指して調査を進めている。MSeIAの分解・資化性細菌のスクリーニングも継続している。
2. TMSe資化に関与する遺伝子クラスターの同定と細胞・分子機能解析 TMSe資化能を有するAminobacter属の新種2株の分離に成功し、TMSe存在下で誘導されるタンパク質を同定したところ、新奇メチル基転移酵素(TmsA)を発見した。本酵素はテトラヒドロ葉酸 (THF) を補酵素とし、またC1化合物資化経路に繋がるメチレンTHF還元酵素、2つの転写因子、膜輸送体をコードする4つの遺伝子と遺伝子クラスターを形成し、メガプラスミド上に位置していた。TMSe資化能を持たないAminobacter aminovorans基準株に本遺伝子クラスター構成遺伝子を導入したところ、TMSe資化能が付与のされたことから、本遺伝子クラスターがTMSe資化能を担うことが示された。さらに、Aminobacter sp. IBT3-m3株からTmsA遺伝子を大腸菌に導入し、N末端Hisタグ融合タンパク質として大量発現させ、精製した。TmsAのメチル基転移活性を調べるために、TMSを含むメチル化合物を基質として反応させ、THFの減少と5-メチル-THFの生成を定量することで測定した。TmsAは2量体を形成し、DmdAと異なる系統群を形成することが分かった。また、基質結合部位にも違いがあり、TmsAは狭い基質結合ポケットを形成すると予測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MSeIA耐性菌の単離に成功するとともに、これまで報告の無いMSIA資化性菌の単離に成功した。TMSe資化性遺伝子クラスターの同定にも成功し、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って研究を遂行する。MSeIA資化性菌のスクリーニングを継続するとともに、SeSugを用いたスクリーニングも開始する。
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