研究領域 | 情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 |
研究課題/領域番号 |
22H04829
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷本 拓 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70714955)
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研究期間 (年度) |
2022-05-20 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ライブイメージング / ドーパミン神経 / シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
脳の情報処理は、シナプスを介した細胞間コミュニケーションにより行われる。実際の生体内の回路を形成する神経細胞において、シナプス前終末のカルシウム濃度は隣り合うアクティブゾーン(小胞放出部位)でも大きく異なる。しかし、局所的なカルシウムイオンの制御やその機能的意義は不明である。本研究ではショウジョウバエのドーパミン神経をモデルに、シナプス前終末のカルシウム動態を制御する因子を同定する。シナプス前終末の局所カルシウムの作用点となるアクティブゾーンの構成要素の働きに焦点を絞り、シナプス構造、ライブイメージング、行動解析を統合することで、個体行動におけるカルシウム動態の局所制御の意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、ショウジョウバエのドーパミン神経をモデルに、シナプス前終末のカルシウム動態に関連する因子を同定し、個体行動における局所制御の意義を解明することを目指す。シナプス前終末の局所カルシウムの作用点となるアクティブゾーン構成要素に着目し、シナプス構造、ライブイメージング、行動解析を用いて統合的にシナプスタンパク質の空間制御メカニズムを明らかにする。 今年度は、splitGFP再構成技術をCRISPR/Cas9法を用いた内在性タンパク質タギングと組み合わせることで、シナプス前終末におけるアクティブゾーンの構成タンパクであるBruchpilot(Brp)の局在を細胞種特異的に可視化した。また、組織透明化技術と三次元デコンボリューション等の画像処理法を最適化し、分子凝集の強度、形状、密度を自動定量する解析パイプラインを構築した。この解析系により、ショウジョウバエの連合学習を司る脳構造キノコ体において、アクティブゾーン構成分子の空間分布の詳細が単一細胞レベルで明らかとなり、シナプスタンパク動態の不均一性に寄与する構造的特徴を抽出することが可能となった。一例として、キノコ体全体に投射する巨大単一神経細胞であるAPL ニューロンおよびDPM ニューロン間でBrp凝集体の分布が著しく異なることを発見し、アクティブゾーンの空間配置の制御様式が細胞種によって異なることを見出した。このことは、連合学習などの経験依存的な修飾が一部のシナプス前末端に局所的に作用することを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標をおおむね達成し、着実に研究成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに発見した細胞内のアクティブゾーン凝集のパターンについて、飢餓や断眠などのストレスを与えた時の変容を可視化する。また標的細胞特異的に神経伝達物質受容体の発現を抑制することで、不均一性を制御する分子メカニズムを明らかにする。さらにアクティブゾーンに局在するカルシウムセンサーを用いてライブイメージングを行い、凝集構造とカルシウム流入の関係性を検証する。
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