本研究では F1モーターの入力と出力の共役を,両者の相関と捉えて情報熱力学による考察を行う.最近発表されたF1モーターのクライオ電顕像 [Sobti et al(2021)]を参考にβとγサブユニットに変異導入を行い,挙動を調べ,情報熱力学の文脈で検討する.また,本新学術領域研究の前半では理論家の東大理学部の吉田氏,伊藤氏,岡田氏の多大なる支援を得て,以前に発表した二つのラチェットの同期でエネルギー変換をするモデル[Muneyuki & Sekimoto(2010)]の情報熱力学について投稿論文を準備中であるが,やや抽象的な話なので,本研究では理論家の意見も伺いつつ,具体的な描像を示したい.
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