研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
22H04856
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 文英 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50512787)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 知能ロボティクス |
研究開始時の研究の概要 |
ロボットの発話に「重み」を与え、対話継続と共感促進を目指す手法として、対話ロボットの発するメッセージに物理的な重量感を付与する技術を開発する。本研究では、この基本原理に基づきこれまでに開発された機構を備えたロボットを用いて本手法の効果検証を行う。さらには、対話知能学における新しい問題の提示を目指した探索的な研究も行う。
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研究実績の概要 |
まず、当初研究計画中にあった研究内容については、本新学術領域「対話知能学」の前半期に開発したOMOYを3次元拡張したOMOY-3Dの開発を終え、その適切な重み移動方式を調査するユーザ実験を行い、そこから得られた設計指針をまとめて論文投稿するところまで行った。論文はロボット分野の最高峰国際会議であるIEEE ICRAにfull paper投稿され、査読を経て採択に到った(発表は2023年5月末の予定)。 一方で、当初計画中になかった新しい研究内容については、新学術領域「対話知能学」の全体会議およびA01班会議を経て、領域全体からの要望も受けて対話知能と関わる新しい問題の発見を目指す幾つかの新しい試みに着手している。今年度については2つの研究に着手した。一つ目はユーザの意識変容・行動変容につながりうる対話知能の研究で、多言語翻訳技術を活用した誹謗中傷抑制SNS・ナッジ技術のプロトタイプを開発した。二つ目は体内感エージェント対話に関するもので、こちらもプロトタイプを開発し、次年度にかけて実験に着手している。これらの成果は国内学会で発表すると共に領域会議でも報告しており、すでに次年度にかけての開発と実験のフェーズに進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記述の通り、実際には、一部で当初計画の内容を超えて新たに2つの研究テーマに着手しているため当初計画以上に進展しているものとも思われるが、外部成果発表がまだ本格化していないため、今回は(2)の区分に留めた。しかしながら、領域全体会議や班会議の中での議論もふまえていずれも重要な潜在性を有する課題に着手しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画中にあったOMOY-3Dについては、主要国際会議で成果を発表してまとめに入る。新たに着手した2つの研究について、まずSNS誹謗中傷抑制の研究については、複数種類のプロトタイプ開発を経てそれらの効果検証実験を行い、じっさいにユーザの意識変容・行動変容におよぼす効果を調べていく。体内感エージェント対話については、対話シナリオと合わせたユーザインタラクションを設計していき、まずはユーザの体内感の度合を検証する実験を実施する。共に今年度は外部論文発表を行い、対話知能学領域の次なる展開を示唆する議論の提示を目指していく。
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