研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
22H04872
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大武 美保子 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (10361544)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2023年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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キーワード | 高齢者 / 健康 / 対話 / 支援技術 / ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高齢者の生活環境における心身の健康維持および増進を目指して、在宅のベッドサイドを中心とする生活環境内において設置する声掛けロボットの対話継続機能を向上するための技術を提案し、実証することである。具体的には、シナリオ対話技術に立脚して、以下の2つの手法を確立することを目指す:1)個人の特性アセスメント結果に基づく対話内容の生成および制御手法、2)関係構築による対話継続手法ならびにそれに基づく心身健康状態の推定手法。数か月間、対話を継続するために、個人の特性に応じた対話制御を行うことが可能な対話システムを開発する点に学術的な特色がある。
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研究実績の概要 |
2022年度は、研究項目1,2について研究を進めた。 1 シナリオベース対話における間合いの推定:高齢者の健康を見守り育むことを目的とする,見守り声掛けロボットは,あらかじめ定めたシナリオに沿って声掛けする.利用者の発話の間合いに基づいて,発話終了か,息継ぎかを判別する.発話の間合いには個人差が大きいことから,発話終了か息継ぎかを判別するタスクを,強化学習ベースで行った場合と,あらかじめ収集したデータに基づいて閾値を設定して行った場合を比較した.調査の結果,人間がシステムに合わせようとする傾向がある場合には,閾値ベースの方がよく,そうではない傾向がある場合には,強化学習ベースで行った場合の方がよいという示唆が得られた. 2 グループ会話の司会進行におけるロボットの受容:グループ会話を司会進行し,発話量に応じて話者交代を促す,グループ会話を見守り声掛けするグループ会話支援ロボットを開発している.司会進行と話者交代自体は,音声のみで行うことも可能であり,ロボットが身体性を有する効果については,明らかでなかった.そこで,ロボット,音声のみ,人間が司会した場合とで,参加者の感じ方などがどのように異なるかを解析した.実験自体は,コロナ禍前に行った.発話が少ない人に当てる,発話が多い人を止めるなど,人間の司会者にとっても難しいタスクを,ロボットおよび音声により自動化することは,有効であることが明らかになった.一方,発話量が多い人にとって,ロボットよりは,音声に発話を止められる方が,不快さが少ないとの知見が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的に即して、1)個人の特性に応じた対話制御手法、2)人間とロボットの関係構築に向けたロボットの受容について、それぞれ知見が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
対話ロボットを、実験室の他、高齢者宅、および、高齢者施設において利用評価する実験を行い、その時の反応を取得し、ロボットの利用が人間に与える影響を検討する計画である。
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