研究領域 | 超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 |
研究課題/領域番号 |
22H04878
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
竹下 典男 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20745038)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 根圏 / 糸状菌 / 細菌 / 合成コミュニティ / 微生物 / マイクロバイオータ / 合成コミュニティー / メタゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、植物根圏に形成されるマイクロバイオータに着目する。ミヤコグサの根から単離した糸状菌1株・細菌150株を植物根に接種して再構成される合成コミュニティーを使用し、根圏マイクロバイオータにおける各微生物の役割や代謝的・空間的相互作用を明らかにする。
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研究実績の概要 |
審査対象論文で著者は、植物根圏の微生物コミュニティの形成機構を明らかにする目的で、人工的な再構築系である合成コミュニティを対象に研究を行った。まず、モデル植物であるミヤコグサを圃場由来の土壌にて栽培し、根圏から45属159株もの多様な細菌と主要な糸状菌Fusarium oxysporum1種を単離した。滅菌した植物種子と滅菌したバーミキュライトに、これらの微生物を加えた閉鎖系の合成コミュニティを対象に、植物の生育と根圏微生物叢を解析した。著者は、糸状菌の有無による根圏細菌叢への影響を、相対存在量・群集間多様性・共起ネットワーク・媒介中心性などにより評価する手法を確立し、Xanthobanteraceae属細菌と糸状菌との相互作用が、根圏細菌叢形成に重要であることを示した。さらに、合成コミュニティからこの細菌だけを除いた条件、この細菌だけを加えた条件でも解析を行い、植物の生育への影響を明らかにした。窒素固定と土壌肥沃度に重要な役割を果たすXanthobacteraceaeと土壌中に広く分布する糸状菌であるFusarium oxysporumの根圏での相互作用を明らかにした。その相互作用が根圏細菌叢に大きな影響を与え、植物の生育を促進することが示された。根圏微生物叢は植物の栄養獲得と環境ストレスへの抵抗において重要な役割を果たしており、植物の健康と根圏土壌における病気の抑制にも不可欠である。微生物叢の動態を把握してその環境におけるハブとなる微生物やそれ同士の相互作用を特定することが求められている。その点において合成コミュニティという研究アプローチは、微生物叢において、植物の健康や細菌叢の形成に大きく寄与する微生物または微生物同士の相互作用の特定をおこなうことを可能にした。このように、合成コミュニティはこれまで特定することが難しかった微生物の相互作用や役割への理解に有効な手段である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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