研究領域 | 超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 |
研究課題/領域番号 |
22H04883
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 宏樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80222173)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 寄生 / 共生 / アカントアメーバ |
研究開始時の研究の概要 |
淡水環境中どこにでも見出すことができる単細胞原生生物アカントアメーバは、その内部にヒト病原菌レジオネラを始めとして多様な種の細菌を寄生・共生させることが知られていました。さらに、近年のアカントアメーバを宿主とする巨大ウイルスの発見は、アカントアメーバが寄生・共生微生物の進化の揺籃となったことを示唆しています。この研究では、これまでに研究代表者が行ってきたアカントアメーバ寄生・共生微生物・ウイルスの探索を、培養不能の未知の微生物探索に最適化させていくことにより、新たな「ポストコッホ型」微生物を単離・解析することを通じて、広く微生物の理解を進めます。
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研究実績の概要 |
前年度までに分与を受けたモデル圃場土壌からのパンドラウイルス単離に特化したスクリーニングでは、これまでのところの新規性を持つ微生物・ウイルスの単離には至っていない。
前年度までのスクリーニングにおいて単離した放線菌門アシディミクロビウム綱に属する新属以上の新規性を期待される細菌2株について、前年度までに1株のゲノム解析を完了しており、残る1株のゲノム解析について本年度完了した。ANI(Avereage Nucleotide idientity)解析で相互間のスコアは90.8%, 原核生物refseqゲノム中最も高いスコアを示す細菌との間は81.4%であり、このことは当該菌株が新属以上の新規性を有していること、2株は同属異種であることと矛盾しない。今後、新種の細菌として記載を目指し必要な解析を領域内共同研究として進めていきたい。
前年度までのスクリーニングにおいて単離したパンドラウイルスと予想される巨大ウイルス1株について、ゲノム解析を行った。ロングリード解析に十分な長鎖ゲノムDNAの単離法について検討を行う必要があったものの、ONT MinIONおよびIllumina MiSeqでロング・ショートリードを得て、ゲノムをアセンブルした。得られたゲノムは、これまでに完全ゲノムが報告されているパンドラウイルスのうち1種に対して、ANI 99.1%と高いスコアを示しており、同一種と考えられる。今後、新たなパンドラウイルスの単離に向けて、スクリーニングを展開していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新種、新属と考えられるポストコッホ微生物の単離・解析について、研究はほぼ順調に進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに単離した候補微生物の解析を進めるとともに、領域内共同研究として分与を受けた圃場土壌のスクリーニングを引き続き行う。新種のポストコッホ細菌については、文献記載を目指し必要な解析を領域内共同研究として行いたい
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