研究領域 | 「当事者化」人間行動科学:相互作用する個体脳と世界の法則性と物語性の理解 |
研究課題/領域番号 |
22H05211
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安藤 俊太郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20616784)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 援助希求 / 思春期 / メンタルヘルス / 当事者化 / 抑うつ / 精神的健康 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病は思春期に最も健康負担の大きい精神不調であるが、援助希求しない者も多く、本邦では思春期の自殺者数(率)が増えている。現実世界で抑うつという困難に直面した際に、その事態を自身のものとして受け入れ内在化し、周囲に助けを求める必要性を自覚できることは「当事者化」と定義できる。一方で、そうした困難において周囲からの助けの必要性を否認し続けることは「非当事者状態」と呼べる。本研究では、東京ティーンコホートを活用し、大規模思春期縦断データを用いて思春期発達に伴う当事者化の変化過程を検討する。また、抑うつという困難場面で非当事者状態に留まることが将来的に精神的健康に与える影響を検討する。
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研究実績の概要 |
東京都内の3自治体で行なっている大規模思春期コホートの追跡データを収集し、2600人超の10~16歳時にわたるおける4時点縦断データを統合した。現実世界で抑うつという困難が起こった際に、それを自覚して「当事者化」できることは、その後の精神的健康の回復に大きく関わるのではないか、という仮説を検討するため、抑うつに対する援助希求意図に注目した。上記コホートの縦断的データ収集において、思春期の参加者に対し、自記式質問紙においてうつ病のヴィネットを用い、抑うつに対する援助希求意図を評価した。自分がヴィネットと同じ状況になった際に誰かに相談するかどうかを問うことで、抑うつに対する援助希求態度を二件法で評価した。そして、思春期における援助希求意図の縦断変化を分析した。 研究参加者全体において、10歳から16歳へと年齢が高くなるにつれ、援助希求意図を持つ割合は減少することが分かった。10歳時点では女子の方が男子より援助希求意図を持つ割合が高かったが、年齢が高くなるにつれて性差は減少し、思春期後期においては援助希求意図に有意な性差はみとめられなかった。 10~16歳の4時点において援助希求意図を持ち続ける参加者は約4割弱であり、一方で、4時点において援助希求意図を一貫して持たない参加者は約5%であった。4時点の追跡調査において、過半数の参加者では援助希求意図の変化がみられた。思春期前期から後期にかけての変化としては、援助希求するように変化する割合は男子の方が高く、援助希求しなくなる割合は女子の方が高かった。 4時点のうち何時点で援助希求意図があったかということは精神的健康と関係しており、概して援助希求意図の回数が少ない人の方が精神不調の割合が高かった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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