研究領域 | ゆらぎの場としての水循環システムの動態的解明による水共生学の創生 |
研究課題/領域番号 |
22H05240
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
富永 篤 琉球大学, 教育学部, 教授 (60452968)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 外来生物 / 陸水生態系 / 外来種 / 両生類 / 影響評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、陸水域の外来種が周囲の生態系に及ぼす影響の可視化を研究課題の核心をなす学術的「問い」として調査を進める。具体的にはウシガエル、ティラピア類、オオフサモを対象とした外来種の駆除実験、シロアゴガエル、オオヒキガエル、ティラピア類を対象とした食性解析、外来種ウシガエルの集団間のメタ集団構造の解明を通して、外来種が周囲の生物多様性にどのような影響を及ぼしているのか明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度はウシガエルの移動や分散能力を調査するために、ラジオテレメトリーによる追跡調査を行った。ウシガエルについてはこれまで、大宜味村での調査を行ってきたが、当該地域の繁殖池はすでに繁殖が抑えられており、個体数も極めて少なくなっていることから、本部町のため池の個体群で調査を開始した。週2回のペースで追跡したが、これまでのところ、調査している4個体の成熟個体は、直径80mほどの池の中にとどまっており、高い移動性は確認できなかった。また、2023年度に集団遺伝解析を行うためのウシガエルのDNAサンプルの収集を進めた。現在、本部町、今帰仁村、大宜味村、うるま市、久米島のサンプルを得ている。さらにオオフサモの影響評価するために、沖縄島で駆除実験をおこなった。2021年11月末に駆除前の昆虫相を共同研究者とともに調査し、オオフサモの駆除を続けた。本年の夏ごろには、オオフサモの主要な群落をほぼ取り除くことができ、オオフサモの除去後は、在来種のクロモの群落が急速に拡大した。約1年間の駆除により、調査地のオオフサモはほぼ根絶に近い状態にまで進めることができた。駆除前と駆除後の昆虫相の比較するために、2022年12月に駆除後の池の昆虫相を調査し、オオフサモの影響評価を行った。しかし、駆除前に水生昆虫が比較的多かったイネ科群落は、オオフサモの駆除の影響でかく乱された状態にあるためか、水生昆虫相の回復は見られなかった。シロアゴガエルの食性解析についてもデータを解析し、投稿の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウシガエルの追跡調査、集団遺伝解析のためのサンプルの収集、オオフサモの駆除実験と予定している調査を行った。シロアゴガエルの食性解析についてもデータをまとめつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、引き続きウシガエルの追跡調査を進めるが、移動性が乏しいことが確認できた青樹個体ではなく、未成熟の幼体に発信機を取り付ける予定である。ウシガエルの集団遺伝解析の実施の前に、離島のサンプルを入手したい。オオフサモの駆除実験については根絶を目指しつつ、調査地の回復を見ていく予定である。
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