研究領域 | 超温度場材料創成学:巨大ポテンシャル勾配による原子配列制御が拓くネオ3Dプリント |
研究課題/領域番号 |
22H05280
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
國峯 崇裕 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (90612705)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | Superthermal Field / Laser DED / WC-HEA Cemented Carbides / High Entropy Alloys / High Entropy Carbides / High Entropy Alloy / CrMnFeCoNi Alloy / WC-HEA超硬合金 / WC-Co超硬合金 / 機械的性質 / レーザ加工 / 半導体レーザ / コーティング / 超温度場材料開発 / レーザ指向性エネルギー堆積法 / 超硬合金 / ハイエントロピー合金 / ハイエントロピーセラミックス |
研究開始時の研究の概要 |
付加製造(Additive Manufacturing: AM)の一種であるレーザ指向性エネルギー堆積法(Laser Directed Energy Deposition: LDED)によって,タングステンカーバイド(WC)とコバルト(Co)ボンド相からなる,WC-Co超硬合金中のCoボンド相をハイエントロピー合金(High Entropy Alloy: HEA)に代替したWC-HEA超硬合金を超温度場条件で材料開発する.セラミックスと金属からなるWC-HEA超硬合金の新規材料開発を通じて有用な材料を探索しながら,超温度場材料創製学の研究領域に新しい知見を見出すことを目指す.
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研究実績の概要 |
粉末供試材としてハイエントロピー合金(High Entropy Alloy: HEA)であるCrMnFeCoNi粉末とWC-12mass%Co造粒粉末,基材として高速度工具鋼を使用した.これらの粉末をマルチレーザ式の指向性エネルギー堆積法(Directed Energy Deposition: DED)装置を用いて単一ビード,および面を造形した.造形条件は出力100-300 W,レーザ走査速度2-40 mm/sで実施した.粉末の混合比については造形後の組成がHEAのみ,HEA-25vol.%WC,HEA-50vol.%WCとなるように混合し,粉末の供給を行った.走査型電子顕微鏡 (SEM)による造形材の微細組織観察,SEM付属のエネルギー分散型X線分光器 (EDX)による組成分析,X線回折による造形部の相同定を行った.また積層造形材に対してビッカース微小硬度試験を実施した.さらに積層造形材に対して,ボールオンディスク型の摩擦摩耗試験を実施した.HEA-25vol.%WCやHEA-50vol.%WCの造形材では,HEAとWC粒子が反応して形成した種々の反応相がX線回折から同定された.EDX分析とX線回折の結果から,これらの反応相も多元素から構成される相になっていることが明らかにされた.WC-HEA超硬合金の硬度をWC-Co超硬合金のそれと比較すると,どの組成においても顕著な硬度の上昇が得られており,前述の反応相のハイエントロピーカーバイド化の影響が推察され,引き続き詳細な分析を次年度に実施していく予定である.またレーザ加工条件を変えることで,これらの反応相の生成は抑制可能であることも明らかにされた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した予定通りにほぼ実験は進んでおり,次年度の研究の見通しも立っているため.
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今後の研究の推進方策 |
種々の相の構成が近くなるようにして,4種類程度の特徴的なWC-HEA超硬合金とWC-Co超硬合金をそれぞれ造形し,室温や高温における機械的性質を調べ,WC-HEA超硬合金の有用性を実証することを目指す.
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